花粉・PM2.5の季節の洗濯と洗い流し

読了目安 約7分

春先になると、洗濯の段取りが変わります。

外に干していいのか迷う。取り込む前に払うようになる。玄関で上着をはたく習慣ができる——。

この時期に増えるのは、家の中で発生する汚れではありません。外から持ち込んでいる汚れです。発生源が外にあるという点で、他の季節の悩みとは性質が違います。

まず結論

花粉やPM2.5(微小粒子状物質)は、洗濯の観点では「付着物」に分類されます。皮脂のように繊維へ入り込んで固着する汚れとは、扱いが違います。

くっついているだけなので、水を通せば流れます。逆に言えば、乾いた状態で強くこすると、繊維の奥に押し込むことになります。

だから対処は、「払う」「洗う」「流す」を場面で使い分けることに尽きます。そしてこれは、洗濯だけの話ではありません。

※この記事は洗濯と洗い流しという家事の話であり、健康や症状については扱いません。

まず、この季節に相手にしている汚れの性質から整理します。


◆この記事でわかること

 

  • ・この季節に増える汚れが「付着物」であること
  • ・付着物・水溶性・油溶性という3分類
  • ・家の中に持ち込む経路は洗濯物だけではないこと
  • ・「払う」「洗う」「流す」の使い分け
  • ・洗濯で気をつけたい点(静電気・詰め込み・すすぎ)
  • ・帰宅後の洗い流しという工程の位置づけ

 


◆汚れを3つに分けて、相手を特定する

 

洗濯で扱う汚れは、性質で3つに分けると整理しやすくなります。

 

分類 例 水だけで流せるか 時間が経つと
付着物 ホコリ、砂、花粉、PM2.5 ◎ くっついているだけ こすると押し込まれる
水に溶ける汚れ 汗の成分、糖分 ◎ そもそも溶ける 乾くと結晶として残る
油分の汚れ 皮脂、食用油、化粧品 × 水と混ざらない 変質して固着していく

 

この季節に増えるのは、いちばん上の付着物です。そして表のとおり、付着物は3種類のなかで最も水と相性がよい相手になります。

ただし「乾いているとき」は別

付着物が水で流れやすいのは、水を通したときの話です。乾いた状態で布地をこすると、粒子は繊維の隙間に入り込みます。

玄関で上着をはたくのが有効だとされるのも、入り込む前に落としてしまうという順番があるからです。手順を逆にすると、かえって取りにくくなります。


◆持ち込む経路は洗濯物だけではない

 

この季節の対策は「外干しをやめる」に集中しがちですが、実際の経路はもっと多岐にわたります。

 

経路 持ち込まれるもの 対処の方向
外に干した洗濯物 干している間に付着 取り込む前に払う/部屋干しに切り替える
上着・帽子・マフラー 面が広く、量も多い 玄関で払い、室内に持ち込まない
髪・肌 帰宅時にそのまま室内へ 帰宅後に流す
バッグ・靴 床に置くと室内に広がる 置き場所を玄関で区切る
窓の開閉・換気 空気と一緒に入る 時間帯を選ぶ/フィルターを使う
寝具(外干しした布団) 面が非常に広い カバーの洗濯頻度を上げる

 

経路を並べてみると、洗濯物は入口のひとつにすぎないことが分かります。洗濯だけを対策しても、他の経路はそのままです。


◆「払う」「洗う」「流す」の使い分け

 

付着物への対処は、大きく3つの動作に分けられます。それぞれ向き不向きがあります。

 

動作 向いている対象 注意点
払う 上着・帽子など、洗いにくいもの 室内でやると広がる。玄関の外で
洗う 衣類・カバー類 詰め込むと水が通らない
流す 髪・肌・手 こすらず、水を通すことを優先する
拭き取る 床・家具・窓枠 乾拭きは舞い上げる。湿らせてから
吸い取る カーペット・布製ソファ 排気で舞い上がる場合がある

 

共通する原則は「舞い上げない」ことです。付着物は軽いため、乾いた状態で動かすと空気中に戻り、別の場所に落ち直します。


◆洗濯で気をつけたい3点

 

① 静電気

乾燥した季節は静電気が起きやすく、繊維が細かい粒子を引き寄せやすくなります。柔軟剤が対策として案内されることが多いのは、この点に働きかけるためです。

② 詰め込み

洗濯機に詰め込むと衣類が動かず、水が通りません。付着物は水が通れば流れる相手なので、詰め込みの影響を最も受けやすい汚れだとも言えます。

③ すすぎ

洗いの工程で外れた粒子は、すすぎで排出されます。ここが短いと、外れたものが繊維に戻る余地が残ります。洗うことと、外に出すことは別の工程です。


◆玄関を境界線にするという考え方

 

付着物は、室内に入ってしまうと落ちた場所が変わるだけで、家からは出ていきません。床に落ち、歩けば舞い上がり、別の場所に落ち直します。

そのため、対策としては「入れてから取る」より「入る前に落とす」ほうが、扱う量そのものが減ります。玄関を境界線として設計する、という発想です。

境界線を作る具体策

  • ・払う場所を玄関の外に決めておく——室内で払うと、その場に落ちるだけになります
  • ・上着の定位置を玄関に作る——居室まで持ち込まない動線にします
  • ・バッグを床に直接置かない——置き場所を高い位置に決めておきます
  • ・帰宅後の手洗い・洗顔を先にする——座る前のほうが、広がる範囲が小さくなります
  • ・玄関周りは湿らせて拭く——乾拭きは舞い上げます

 

どれも道具を増やす話ではなく、順番を決めるだけの対策です。この季節に習慣を1つ足すなら、効率がよい部分になります。


◆外干しできない期間が生まれるという副作用

 

この季節のもうひとつの問題は、外干しという選択肢が使えなくなることです。

部屋干しに切り替えると、乾くまでの時間が延びます。乾きにくくなれば、濡れた状態が続きます。つまり、付着物の対策をした結果として別の季節の悩みが前倒しでやってくるという構図になります。

この時期に部屋干しの工夫を求められるのは、そのためです。乾かす側の対策と、持ち込みを減らす対策は、別々に立てておくほうが整理しやすくなります。


◆帰宅後の「洗い流し」という工程

 

経路の表で挙げたとおり、髪や肌は室内へ直接持ち込む経路になります。ここで行われているのが、洗い流しという工程です。

こするより、通す

付着物は、乾いた状態でこすると入り込みます。したがって水を先に通してからという順番が理にかなっています。

洗浄料を使う前に水やお湯だけで流す工程は「予洗い」と呼ばれます。付着物は洗剤を使わなくても流れる相手なので、この工程との相性が特によい汚れです。

届きにくい場所は決まっている

  • ・髪の生え際・襟足——水の流れが分かれる境目
  • ・耳の後ろ——耳が壁になり、水がよけて通る
  • ・手首・袖口の内側——洗う範囲から外れやすい
  • ・爪のまわり——凹凸があり、水が届きにくい

 

いずれも「面」ではなく「境目」です。付着物に限らず、水が届きにくい場所には共通の傾向があります。


◆この季節は、水を使う場面そのものが増える

 

ここまで見てきたとおり、この季節の対策は複数の場所にまたがります。

  • ・洗濯の頻度が上がる(カバー類・上着)
  • ・帰宅後の手洗い・洗顔・洗髪が増える
  • ・床や窓枠の拭き掃除が増える
  • ・玄関まわりの水拭きが増える

 

家庭で使う水の内訳は、風呂43%、トイレ20%、洗濯16%、炊事15%、洗面・その他6%です(東京都水道局/令和3年度)。この季節に増えるのは、風呂・洗濯・洗面という3つの領域にまたがっています。


◆付着物には、水の性質が効きやすい

 

最初の表に戻ると、付着物は洗剤の力を借りずに水だけで流せる数少ない汚れでした。

言い換えれば、水そのものの条件が結果に直結しやすい相手だということです。油分の汚れであれば洗剤の性能が大きく効きますが、付着物では水の届き方のほうが効いてきます。

ウルトラファインバブルという選択肢

ウルトラファインバブル(UFB)は、直径1μm(0.001mm)未満の目に見えない微細な気泡です。国際規格 ISO 20480-1:2017 で、この大きさの気泡を指す用語として定義されています。

浮力がほとんど働かず水中に長くとどまるため、水が届く場所には気泡も一緒に届きます。繊維の隙間や表面の凹凸にも入り込みやすくなると考えられており、洗浄をサポートする働きが期待されています。効果の感じ方には個人差があります。

対象範囲をどこまで広げるか

この季節に増える場面は、洗濯・浴室・洗面と分散しています。シャワーヘッド型の製品で変わるのは浴室のシャワーから出る水だけで、洗濯機に入る水や洗面所の水は対象外です。

複数の場所をまとめて対象にしたい場合は、水道の元栓に装置を設置して、家に入ってくる水そのものを変える方式があります。


◆よくある質問

 

Q. この季節は外干しをやめたほうがよいですか?

干している間に付着するため、持ち込みを減らす観点では部屋干しが有利です。ただし乾くまでの時間は延びるため、乾かす側の手当てとセットで考える必要があります。

Q. 取り込む前に払えば、外干しでも大丈夫ですか?

払うことで表面のものはある程度落ちますが、繊維に入り込んだ分は残ります。乾いた状態で強くこすらないほうが、あとで流しやすい状態を保てます。

Q. 柔軟剤は対策になりますか?

静電気に働きかけるものとして案内されることが多く、付きにくさという点では意味があります。すでに付いたものを落とす働きとは別なので、役割を分けて考えるとよいでしょう。

Q. 洗濯機のコースは変えたほうがよいですか?

付着物は水が通れば流れるため、詰め込みを減らすことと、すすぎを短くしすぎないことのほうが効きます。コースの名称より、水の量と回し方を見るのが実用的です。

Q. ウルトラファインバブルにすれば、外干しできるようになりますか?

付着そのものを防ぐ技術ではありません。干している間に付くかどうかは環境側の条件であり、水の性質とは別の話になります。


◆まとめ

 

✔ この季節に増えるのは、外から持ち込む付着物
✔ 付着物は3種類の汚れのなかで最も水と相性がよい
✔ ただし乾いた状態でこすると、繊維の奥に入り込む
✔ 経路は洗濯物だけでなく、上着・髪・バッグ・換気など多岐にわたる
✔ 対処は「払う」「洗う」「流す」を場面で使い分ける
✔ 共通する原則は「舞い上げない」こと
✔ 洗濯では静電気・詰め込み・すすぎの3点に注意する
✔ 洗剤を使わずに流せる相手だからこそ、水そのものの条件が効きやすい

この季節の対策は、洗濯・浴室・洗面と場所が分散します。だからこそ、対象範囲をどこまで広げるかが判断の分かれ目になります。

ウルトラファインバブルフレスカは、水道の元栓に設置して家じゅうすべての水をウルトラファインバブル水に変える装置です。浴室・洗面・キッチン・洗濯・屋外水栓まで対象になり、電源不要・消耗品なしで維持費がかかりにくい構造になっています。

ただし、ご自宅の水圧や配管の状況によって設置条件が変わります。導入前に設置可否を確認できますので、まずはお気軽にご相談ください。

自宅に設置できるか相談する

 


◆参考

 

  • ・東京都水道局「一般家庭水使用目的別実態調査」(令和3年度)
  • ・ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」

 


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