泡の「数」や「特許」の文字だけで選ぶと後悔する|ウルトラファインバブル製品を見抜く5つの判断基準

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「業界最多 ◯億個」
「特許取得済み」

ウルトラファインバブル製品の広告で、必ずと言っていいほど目にする言葉です。

これらは製品を選ぶ手がかりになります。ただし、言葉の意味を正確に知らないまま比較すると、判断を誤ることがあります。

まず結論

スペック表で比較すべきは「気泡の数」ではなく、気泡径が1μm未満と明記されているか、そしてその数値がどの条件で測られたかです。

気泡数は水圧・水温・測定機器・採取位置によって変動します。条件を揃えずにメーカーの異なる製品を数値だけで比べても、本来は意味をなしません。

また「特許」は独自性を認める制度であって、性能の優劣を保証するものではありません。

なお、ウルトラファインバブルは ISO 20480-1:2017 という国際規格で「気泡径1μm未満」と定義されています。まずこの定義を満たしているかが出発点になります。


◆この記事でわかること

 

  • ・国際規格が定めているウルトラファインバブルの定義
  • ・「◯億個」という数値が比較しにくい理由
  • ・「特許取得」が意味すること・意味しないこと
  • ・業界団体の認証マークの読み方
  • ・スペック表を見るときのチェックリスト

 


◆出発点は「国際規格の定義を満たしているか」

 

ISO 20480-1:2017 が定めたこと

「ウルトラファインバブル」は、メーカーが自由に名乗れる宣伝用語ではありません。

ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」という国際規格で、サイズが明確に定義されています。2017年6月22日に発行された、ファインバブル技術の専門委員会(ISO/TC 281)による国際規格の第1号です。

日本国内では JIS B 8741-1:2019 として対応する規格が制定されています。

 

名称 直径 位置づけ
ファインバブル 100μm未満 総称(下記2つを含む)
 └ マイクロバブル 1〜100μm ファインバブルの一種
 └ ウルトラファインバブル 1μm未満 ファインバブルの一種

出典: ISO 20480-1:2017 / JIS B 8741-1:2019

かつて「ナノバブル」と呼ばれていたものが、この規格の整備を経て「ウルトラファインバブル」という呼称に整理されました。現在も両方の表記が使われているため、製品を比較するときは呼び方ではなく、記載されているサイズを見るのが確実です。

規格が定めているのは「呼び方」であって「性能」ではない

ここは混同しやすいところなので、はっきりさせておきます。

ISO 20480-1 が定めたのは用語の定義と測定の一般原則です。「この規格に沿っている製品は性能が高い」ということを意味するものではありません。

規格は、メーカーごとにバラバラだった呼び方と測り方に共通の物差しを作ったもの。物差しができたから比較ができるようになった、という段階の話です。


◆判断基準① 気泡径が1μm未満と明記されているか

 

最初に確認すべきはここです。

製品ページやパッケージに、気泡のサイズが数値で書かれているかを見てください。

  • ・「1μm未満」「ナノサイズ」「◯nm」と明記されている → 確認できる
  • ・「超微細な泡」「きめ細かい泡」だけ → サイズが不明

 

「マイクロバブル」「ミストシャワー」「ナノケア」など、似た響きの言葉が併用されることがあります。マイクロバブル(1〜100μm)とウルトラファインバブル(1μm未満)では、水中での振る舞いがまったく違います。

なぜサイズが重要なのか。 1μmを超えた気泡は、水中で収縮しながら消滅していきます。一方、1μm未満の気泡は浮力がほとんど働かず、長時間水中にとどまり続けます。泡が消えてしまえば、そこで作用は終わります。


◆判断基準② 「◯億個」がどの条件で測られたか

 

気泡の数は、一般に1mL(ミリリットル)あたりの個数で表されます。

分かりやすい指標ですが、この数値は測定条件によって大きく変動します。

数値が変動する4つの要因

 

要因 どう影響するか
水圧 発生原理が水圧を利用するため、圧力が変われば発生量も変わる。家庭ごとに水圧は異なる
水温 気体の溶解度が変わるため、気泡の生成・維持に影響する
測定機器・方式 機器によって検出できる粒径範囲や精度が異なる
採取位置・タイミング 吐水口からの距離や、吐水開始からの経過時間で数値が変わる

 

条件が違えば、同じ製品でも異なる数字が出ます。

つまり、「A社は10億個、B社は5億個だからA社が2倍優れている」という読み方は、測定条件が揃っていない限り成立しません。

確認すべきなのは数値の大小ではなく、その数値がどういう条件で測られたのかが開示されているかです。条件を明示せずに数字だけを大きく掲げている場合は、比較材料としては扱いにくいと考えたほうが安全です。

数より「サイズの安定性」

本質的なのは、1μm未満というサイズを安定して維持できているかです。

個数が多くてもサイズが基準を超えていれば、水中に留まらず消えてしまいます。「たくさん出る」ことより「小さいまま残る」こと。ここを見誤ると、スペック上は優秀なのに実感が伴わない、という結果になりかねません。


◆判断基準③ 「特許」が意味すること・しないこと

 

特許は、「新しい技術的アイデアである」ことを認める制度です。

審査されるのは主に、それまでに無かったものか(新規性)、既存技術から容易に思いつくものではないか(進歩性)といった点です。

つまり、特許があることは「他にない仕組みである」ことを示しますが、「性能が優れている」ことを保証するものではありません。

独自の構造であっても性能が高いとは限りませんし、逆に特許を持たない枯れた技術のほうが安定していることもあります。

「特許取得」と「特許出願中」の違い

 

表記 意味
特許取得・特許第◯◯◯号 審査を通過し、登録されている
特許出願中・特許出願済 審査が終わっていない。登録されるとは限らない

 

「特許出願中」は誰でも出願さえすれば書けます。特許番号が記載されているかを確認する習慣をつけておくと安心です。


◆判断基準④ 第三者の制度をどう見るか

 

メーカーの自己申告ではなく、外部の基準で確認されているかどうか。これが第三者認証という考え方です。

FBIA製品認証登録制度とは

ファインバブル分野では、一般社団法人ファインバブル産業会(FBIA)が「FBIA製品認証登録制度」を運営しています。

ファインバブルを利用した製品・サービスについて、性能の測定方法がISO規格やFBIA規格に適合しているか、効果判定が妥当かなどを確認したうえで、認証・登録し、マークの表示を認める制度です。

審査は次の3つの要素で行われます。

 

要素 内容
① ファインバブルの性能 個数濃度と気泡径
② ファインバブルの効果 エビデンスに基づく有意差の確認
③ 品質管理 原材料管理、生産工程の管理など

 

「認証」と「登録」の違いは、規格に基づいた測定ができる製品かどうかです。ISO規格・FBIA規格に基づいて性能測定が行える製品は認証制度、測定が規格に基づいて行えない製品は登録制度で対応する、という区分になっています。

認証登録マークの読み方

このマーク、実は記号の並びに意味があります。知っておくと、マークを見ただけで何が認証されているかが分かります。

記号の例 意味
第1層
(種別)
R 登録製品
C1A 型式特性認証(1a区分)
C1B 製品性能認証(1b区分)
第2層
(泡の種類)
UFB ウルトラファインバブル
MB マイクロバブル
UFBMB 両方
第3層
(特性区分)
例:8b 個数濃度 1×108〜109個/mL、サイズ 100nm〜1µm
第4層
(識別番号)
申請年月と整理番号

出典: 一般社団法人ファインバブル産業会「認証登録マークの見方」

つまり、第2層を見ればその製品がウルトラファインバブルとして認証されているのか、マイクロバブルなのかが分かります。第3層まで読めば、認証された気泡のサイズと濃度の範囲まで確認できます。

「認証マークがある」だけで判断せず、何が認証されているのかまで読む——ここまでできると、比較の精度が一段上がります。

ただし「認証がすべて」ではない

一方で、認証制度の位置づけも正確に理解しておく必要があります。

認証が確認しているのは、測定方法の妥当性と品質管理の体制です。製品同士の優劣を決めるものではありません。

また、認証の取得には申請と審査の手続きが必要で、費用も発生します。認証を取得していないからといって、性能が低いとは限りません。

判断材料の一つとして持っておく。それが適切な距離感だと考えています。


◆判断基準⑤ 購入後のサポート体制

 

見落とされがちですが、実務的には非常に重要です。

人気のある製品ほど、模倣品や非正規流通品が出回りやすくなります。非正規ルートで購入した場合、次のようなリスクがあります。

  • ・メーカー保証が受けられない
  • ・不具合時のサポート対象外になる
  • ・実際の性能が公表値と異なる
  • ・設置後のトラブルに対応してもらえない

 

特に住宅設備として長期間使う製品では、購入した後に誰が責任を持つのかまで含めて選ぶことをおすすめします。

  • ・正規の販売ルートか
  • ・保証期間と保証の範囲
  • ・設置後の相談窓口があるか
  • ・設置前に現地確認をしてくれるか

 


◆スペック表の読み方チェックリスト

 

必ず確認する

  • ・気泡径が「1μm未満」と数値で明記されているか
  • ・気泡数を掲げている場合、測定条件が併記されているか
  • ・「特許取得」か「特許出願中」か(番号の記載があるか)
  • ・正規の販売ルートか
  • ・保証期間と保証範囲

 

確認できるとなお良い

  • ・第三者認証・規格への適合の有無(あれば、何が認証されているか)
  • ・消耗品の有無と交換費用
  • ・効果範囲(どこの水が変わるのか)
  • ・設置前の現地確認の有無

 

注意して読む

  • ・「超微細」「きめ細かい」など、サイズが数値化されていない表現
  • ・測定条件のない「業界最多」「No.1」といった表現
  • ・効果を断定的に述べている表現

 


◆よくある質問

 

Q. 泡の個数が公表されていない製品は避けるべきですか?

個数の公表がないこと自体が問題とは限りません。むしろ測定条件を明示せずに数値だけを大きく掲げている場合のほうが、比較材料としては注意が必要です。

Q. 家庭で泡の数を確認する方法はありますか?

ウルトラファインバブルは目に見えないため、家庭での計測はできません。専用の測定機器が必要です。だからこそ、公開されている情報の読み方が重要になります。

Q. 認証マークがない製品は買ってはいけませんか?

そういうことではありません。認証は測定方法の妥当性と品質管理を確認する制度であり、取得には申請と審査の手続き・費用が必要です。認証がないことが性能の低さを意味するわけではありません。判断材料の一つとして扱うのが適切です。

Q. ISO規格に適合していれば性能が高いのですか?

いいえ。ISO 20480-1 は用語の定義と測定の一般原則を定めた規格です。共通の物差しを作ったもので、製品の優劣を決めるものではありません。

Q. 「ナノバブル」と書かれている製品は違うものですか?

ほぼ同じものを指します。かつて「ナノバブル」と呼ばれていた1μm未満の泡が、国際規格の整備を経て「ウルトラファインバブル」という呼称に整理されました。表記ではなく、記載されているサイズを確認してください。

Q. フレスカはどのような仕組みで発生させていますか?

水圧を利用し、内部構造による水流の旋回とせん断作用で微細気泡を生成します。電源や薬剤は使用しません。


◆まとめ

 

✔ ウルトラファインバブルは ISO 20480-1:2017 で「気泡径1μm未満」と定義されている
✔ 「◯億個」は測定条件で変わる。数値の大小より、条件が開示されているかを見る
✔ 数の多さより、1μm未満のサイズを維持できているかが本質
✔ 「特許」は独自性の証明であって、性能の保証ではない
✔ 第三者認証は判断材料の一つ。マークの記号を読めば、何が認証されているかまで分かる
✔ 住宅設備として長く使うなら、購入後のサポート体制まで含めて選ぶ

広告の言葉ではなく、確認できる材料で選ぶ。それが後悔しない導入につながります。

ウルトラファインバブルは、装置の設計によって性能に差が出る技術です。だからこそ、疑問があれば納得できるまで確認していただくのが一番だと考えています。

ウルトラファインバブルフレスカについて、仕様や設置条件で気になる点があればお答えします。ご自宅の水圧や配管によって設置条件が変わりますので、導入前の確認も承っています。

設置条件について相談する

 


◆参考

 

  • ・ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」(2017年6月22日発行)
  • ・JIS B 8741-1:2019(同名の日本産業規格)
  • ・一般社団法人ファインバブル産業会「FBIA製品認証登録制度」

 


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