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ラストオーダーが終わってから、店を出るまでにかかる時間。
この時間を30分短縮できたら、人件費も、スタッフの定着も、翌日の仕込みの余裕も変わります。にもかかわらず、閉店後作業の時間はなかなか縮まりません。
理由の多くは、「洗浄」をひとかたまりの作業として扱っていることにあります。
まず結論
飲食店の洗浄は、①下膳 ②予洗い ③洗浄 ④すすぎ ⑤乾燥という5つの工程でできています。時間が伸びる原因は工程ごとに違うのに、まとめて「洗い物」と呼んでいるため、どこを直せばいいのかが見えなくなります。
分解してみると、後半の工程が重くなる原因は、たいてい前半(下膳と予洗い)の条件で決まっていることがわかります。洗剤を強くしても、すすぎ回数を増やしても、根本の順番が変わらなければ時間は縮みません。
この記事では、工程別に「時間が伸びる原因」を特定したうえで、洗剤と機器に続く第三の選択肢——水そのものにアプローチするという考え方を整理します。
◆この記事でわかること
- ・飲食店の洗浄を構成する5つの工程
- ・工程別に見た「時間が伸びる原因」
- ・予洗いがボトルネックになりやすい理由
- ・油汚れが落ちにくくなる3つの条件
- ・床・排水口・グリストラップのぬめりという別問題
- ・水そのものを見直すという選択肢と、その位置づけ
◆洗浄は「5つの工程」でできている
まず分解します。呼び方は店によって違いますが、実質的にはこの5段階です。
- ・① 下膳:客席から下げて、残菜を除く
- ・② 予洗い:洗剤を使う前に、水で大きな汚れを流す
- ・③ 洗浄:洗剤と物理的な力(こする・水流)で汚れに働きかける
- ・④ すすぎ:洗剤と汚れを流し切る
- ・⑤ 乾燥:水切り、または拭き上げ
重要なのは、この5工程が一方向に影響し合うという点です。①が雑だと②が重くなり、②が甘いと③④が長くなる。逆流はしません。後ろの工程を頑張っても、前の条件は取り戻せないということです。
◆工程別に見た「時間が伸びる原因」
| 工程 | 時間が伸びる主な原因 | 先に手を打つべきこと |
|---|---|---|
| ① 下膳 | 残菜を除かずに積み上げる/ピーク中に溜める | 置き場のルール化。積み方を決める |
| ② 予洗い | 汚れが乾いてから流している | 乾かさない。下げたらすぐ水に触れさせる |
| ③ 洗浄 | 油分が固まり、こする回数が増える | 温度と予洗いの条件を整える |
| ④ すすぎ | 泡切れが悪く、確認のために流し続ける | 洗剤量の適正化。すすぎの終了基準を決める |
| ⑤ 乾燥 | 水切れが悪く、拭き上げ本数が増える | ラックの配置と間隔を見直す |
この表で注目してほしいのは、右列がほとんど「設備投資ではない」という点です。順序とルールで縮む部分が、まだかなり残っているケースが多くあります。
◆予洗いがボトルネックになる理由
5工程のうち、もっとも軽視されやすいのが予洗いです。洗剤を使わないので「洗っている感」がなく、忙しいと飛ばされます。
しかし予洗いには、他の工程では代替できない役割があります。
- ・汚れを乾かさない:付着物は乾燥すると固着し、その後の工程で落としにくくなる
- ・洗剤の負担を減らす:大きな汚れを先に除くほど、洗剤は本来の役割に集中できる
- ・すすぎ時間を決める:洗剤の使用量が減れば、すすぎも短くなる
つまり予洗いは、水だけで行う工程であり、そのぶん水の条件がそのまま結果に効いてくる数少ない場面です。ここが、後半で扱う「水そのものを見直す」という話につながります。
◆油汚れが落ちにくくなる3つの条件
厨房の洗浄でもっとも手強いのは油分です。落ちにくくなる条件は、おおむね次の3つに集約されます。
① 温度が低い
油脂は温度が下がると固まります。冬場に洗い物が重く感じるのは体感の問題だけではありません。給湯の温度設定と、湯が出るまでの待ち時間は確認しておく価値があります。
② 時間が経っている
時間の経過とともに油分は酸化し、他の汚れを巻き込んで層になります。こうなると洗剤の接触時間を延ばすしかなくなります。
③ 水が触れていない
乾いた状態で放置された面は、洗剤を乗せても最初は弾きます。まず濡らすという当たり前の工程が、実は最も効いています。
◆食器洗浄機を入れても時間が縮まないことがある
洗浄機を導入したのに閉店後作業が短くならない、という相談は珍しくありません。原因はたいてい機械側ではなく、前後の工程にあります。
- ・投入前の予洗いが甘く、洗浄機の中で汚れが行き渡る
- ・ラックへの並べ方で水流が届かない面ができる
- ・洗浄後の水切れが悪く、拭き上げの本数が減らない
- ・鍋やバット類は結局手洗いで、そこがボトルネックになっている
洗浄機は③洗浄と④すすぎを自動化する装置であって、①②⑤は人の作業のまま残ります。ここを分けて考えないと、投資が効果に結びつきません。
◆床・排水口・グリストラップという別問題
食器と並んで時間を食うのが、床まわりです。しかもこちらは担当が決まっていないと誰もやらないという性質があります。
- ・床:油と水が混ざると滑りやすくなり、安全面の問題にもなる
- ・排水口:食材くずとぬめりが複合し、においの発生源になりやすい
- ・グリストラップ:清掃頻度を落とすと一気に負荷が上がる
- ・シンク下・機器の脚まわり:見えないため後回しになりやすい
これらはHACCPの考え方に沿った衛生管理の中でも、記録の対象になりやすい領域です。制度への適合は各店舗が自らの計画に沿って行うものですが、作業時間が読めるかどうかは、続けられるかどうかを左右します。
◆洗剤を増やす前に見直せること
落ちが悪いと感じたとき、最初に手が伸びるのは洗剤です。ただ、洗剤を増やす方向には副作用があります。
- ・すすぎ時間が延びる(泡切れが悪くなる)
- ・すすぎ残しの確認に手間がかかる
- ・材質によっては表面を傷めることがある
- ・コストと在庫管理の負担が増える
つまり洗剤は、③洗浄の工程を強くするかわりに、④すすぎの工程を重くするという構造を持っています。総時間で見ると、必ずしも短縮になりません。
◆「水そのものにアプローチする」という発想
洗剤(化学的な力)と、機器・こすり(物理的な力)。厨房の洗浄はこの2つで語られてきました。そこに第三の軸として「水の状態」を置くのが、ウルトラファインバブル(UFB)という考え方です。
気泡のサイズは国際規格で定義されています。ISO 20480-1:2017では、直径100μm未満を「ファインバブル」と総称し、1〜100μmを「マイクロバブル」、1μm未満を「ウルトラファインバブル」と分類しています。髪の毛の太さがおよそ80μmですから、その80分の1よりさらに小さい世界です。
この大きさになると浮力がほとんど働かず、水面に浮上しないまま水中にとどまります。目には見えません。皮脂やタンパク質由来の汚れに吸着しやすいと考えられていますが、メカニズムを断定できる段階ではないため、「そう考えられている」という理解が適切です。
なお、ウルトラファインバブルは除菌や殺菌を行うものではありません。衛生管理は各店舗が衛生管理計画に沿って実施するものであり、水の状態を変えることがそれを代替するものではありません。効果の感じ方には個人差があります。
泡のサイズによる性質の違いは、ファインバブル・マイクロバブル・UFBの違いを解説した記事で整理しています。
◆3つの打ち手を並べて比べる
| 打ち手 | 効きやすい工程 | 注意点 |
|---|---|---|
| 洗剤を強くする | ③洗浄 | ④すすぎが重くなる。材質とコストの制約 |
| 機器を導入する | ③洗浄・④すすぎ | ①②⑤は人の作業として残る。設置スペースが要る |
| 水の状態を変える | ②予洗いを含む全工程 | 効果の見え方は間接的。設置条件の制約がある |
3つ目が特徴的なのは、工程ではなく「水が通る場所すべて」に関わる点です。食器も、シンクも、床も、同じ水を使っているからです。
ただし、期待値は適正に持つ必要があります。「効果なし」という評価が生まれる背景については、効果なしと言われる理由を検証した記事で整理しています。
◆飲食店で検討する場合の確認事項
① 厨房の給水経路
建物のどこから店舗に水が入ってきているか。ビルテナントの場合、専有部分の始点がどこかを図面で確認する必要があります。
② 貸主・管理会社の承諾
配管に関わる作業は、原状回復義務と管理規約の対象です。事前確認は必須です。
③ 給湯系統の構成
厨房はお湯の使用比率が高い場所です。給湯器の位置と経路によって、検討できる設置位置が変わります。
④ ピーク時の水量と水圧
複数のシンクと洗浄機を同時に使う時間帯の条件を、事前に把握しておきます。
⑤ 止水できる時間帯
定休日または営業時間外での段取りが前提になります。
◆よくある質問
Q. 飲食店に業務用として導入できますか?
ウルトラファインバブルフレスカは住宅の水道元栓に設置する製品として設計されています。店舗への設置可否は、給水経路・水量・契約条件によって変わるため、一律にはお答えできません。まず設置できるかどうかの確認からご案内しています。
Q. 洗剤の使用量は減らせますか?
「◯割減ります」といった断定はできません。使用量は汚れの種類・温度・洗い方によって変わります。予洗いの条件が整うと、結果として洗剤の負担が減る方向に働くという考え方です。
Q. 除菌や殺菌の効果はありますか?
ありません。ウルトラファインバブルは気泡のサイズによって定義される物理的な状態を指すもので、除菌・殺菌を目的とした技術ではありません。衛生管理は各店舗の衛生管理計画に沿って実施してください。
Q. 電気代やフィルター代はかかりますか?
フレスカは水圧を利用して気泡を生成する構造のため、電源が不要で、フィルターなどの消耗品もありません。稼働中の管理項目が増えにくい設計です。
Q. 気泡の数を他社と比較したいのですが
気泡の個数濃度は、水圧・水温・測定機器・採取のタイミングによって値が変わります。測定条件が示されていない数値どうしを並べても、比較にはなりません。数値を検討材料にするなら、測定条件とセットで開示されているかを見てください。
◆まとめ
✔ 洗浄は下膳・予洗い・洗浄・すすぎ・乾燥の5工程でできている
✔ 工程は一方向に影響し、後ろの工程で前の条件は取り戻せない
✔ 予洗いは水だけで行う工程で、水の条件が結果に効きやすい
✔ 油汚れが落ちにくくなるのは「低温・時間経過・乾燥」の3条件
✔ 洗浄機は③④を自動化するが、①②⑤は人の作業として残る
✔ 洗剤を強くすると、すすぎ工程が重くなるという副作用がある
✔ UFBは除菌・殺菌を行うものではなく、土台条件に関わる選択肢
閉店後作業を縮めたいなら、最後の工程を速くするより、最初の工程の条件を整えるほうが効きます。
ウルトラファインバブルフレスカは、水道の元栓に設置する全館型のウルトラファインバブル発生装置です。接続規格はG3/4、外形全長は約80mm。水圧を利用する構造のため電源が不要で、消耗品の交換も前提としていません。
ただし本製品は住宅向けに設計されたものであり、店舗への設置条件は物件ごとに異なります。厨房の給水経路、ピーク時の水量、貸主の承諾条件などを確認したうえでのご案内となりますので、まずは条件のご相談からお気軽にお問い合わせください。
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