毛穴の汚れとシャワー|水の粒の大きさという視点

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シャワーを浴びているとき、出てくる水の「粒」の大きさを意識したことはあるでしょうか。

おそらく、ほとんどないはずです。強いか弱いか、熱いかぬるいか。日常的に気にするのはそのくらいで、粒の大きさという指標は登場しません。

ところが、水まわりの製品を調べ始めると、この「粒の大きさ」という話が急に出てきます。しかも、よく読むと書き手によって指しているものが違う——ということが起きています。

まず結論

シャワーの「粒の大きさ」という言葉は、水滴の大きさと水に含まれる気泡の大きさという、まったく別の2つを指して使われています。この2つが混ざったまま話が進むことが、話をわかりにくくしています。

このうち気泡のほうは、国際規格 ISO 20480-1:2017 でサイズによる分類が定められています。ウルトラファインバブルは直径1μm未満、マイクロバブルは1〜100μm。宣伝用語ではなく規格上の区分です。

気泡が小さいほど狭い隙間に入り込みやすくなると考えられていますが、粒の大きさだけで洗浄のすべてが決まるわけではありません。効果の感じ方には個人差があります。

この記事では、水滴と気泡を分けて定義し直したうえで、粒の大きさで変わることと変わらないことを整理します。


◆この記事でわかること

 

  • ・シャワーの「粒」には水滴と気泡の2種類があること
  • ・mm・μm・nm という単位のスケール感
  • ・ISO規格による気泡のサイズ分類
  • ・粒が小さくなると何が変わり、何が変わらないのか
  • ・水圧・水量・粒の大きさが別々の指標であること
  • ・「気泡◯億個」という数字の読み方

 


◆シャワーの「粒」には2種類ある

 

まず、ここを分けておかないと先に進めません。

① 水滴の大きさ

シャワーヘッドの穴から出て、空気中を飛んでくる水のつぶです。目で見えますし、肌に当たったときの感触もこれが決めています。

穴の直径や本数、水圧によって変わり、細かくすると「ミスト」と呼ばれる状態になります。細かい水滴は空気に触れる面積が増えるため、飛んでいる間に温度が下がりやすいという性質もあります。

② 水の中にある気泡の大きさ

こちらは水滴の中身の話です。水に溶けきらなかった空気が、粒として水中に存在している状態を指します。

白く濁って見える泡は比較的大きい気泡です。一方で、小さくなるほど目に見えなくなり、水は透明のままになります。ウルトラファインバブルが「見えない泡」と説明されるのはこのためです。

この記事で扱う「粒の大きさ」は、主に②のほうです。


◆大きさを単位で整理する

 

μm(マイクロメートル)や nm(ナノメートル)は日常で使わない単位なので、まずスケール感をそろえます。

  • ・1mm=定規の目盛りの一番細かいところ
  • ・1μm=1mmの1,000分の1
  • ・1nm=1μmのさらに1,000分の1

 

身近なもので言えば、髪の毛の太さがおよそ80μmとされています。ウルトラファインバブルは1μm未満なので、髪の毛の80分の1よりさらに小さいということになります。

気泡はサイズで名前が分かれている

この分類は、国際規格 ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」で定められています。2017年6月22日発行、ISO/TC 281(ファインバブル技術専門委員会)が出した国際規格の第1号です。

 

名称 直径 見え方
ミリバブル(参考) 100μm以上 目で見える。すぐ浮き上がる
ファインバブル(総称) 100μm未満 —(下2つをまとめた呼び名)
マイクロバブル 1〜100μm 白く濁って見える
ウルトラファインバブル 1μm未満 目に見えず、水は透明のまま

 

重要なのは、これが業界の宣伝用語ではなく国際規格で定義された用語だという点です。日本国内では対応する JIS B 8741-1:2019 も発行されています。

ただし規格が定めているのは用語と測定方法であって、製品の性能を保証するものではありません。ここは混同しやすいところです。


◆粒が小さくなると何が変わるのか

 

大きさが変わると、水中でのふるまいが変わります。同じ「空気の粒」でも、性質が別物になっていきます。

 

性質 大きい気泡 ウルトラファインバブル
浮き上がるか 浮いてすぐ水面ではじける 浮力がほとんど働かず浮上しない
水中に残る時間 短い 長時間とどまる
見た目 白く濁る 透明のまま
狭い隙間 大きさが邪魔をして入りにくい 入り込みやすいと考えられている
数の多さ 同じ空気量なら少数 同じ空気量でも数が非常に多くなる

 

「浮かない」ことが効いている

大きい泡はすぐ水面へ上がって消えるため、水中に居続けることができません。ウルトラファインバブルは浮力がほとんど働かないため、水と一緒に移動していきます。

つまり、蛇口から出た水が届く場所には気泡も一緒に届くという状態になります。届く範囲が広がるという意味では、大きさより「浮かないこと」のほうが実用上は効いているという見方もできます。


◆「毛穴」という言葉が指しているもの

 

水まわりの文脈で「毛穴」という言葉が出てくるとき、実際に話題になっているのは表面に細かな凹凸があるという構造の話です。

平らな面であれば、水を当てれば全体に届きます。しかし凹凸のある面では、へこんだ部分に水が届きにくい場所が生まれます。これは肌に限った話ではなく、繊維の織り目でも、食器の細かな傷でも、浴室のタイル目地でも同じことが起きています。

ここでは「どうなるか」は書きません

凹んだ部分に水が届きやすくなるかどうかは、粒の大きさの話として説明できます。

一方で、その結果として肌がどうなるかは、洗浄とは別の領域の話になります。この記事では、水と表面構造の関係までを扱い、それ以上の判断は行いません。個人の状態によって差が出る部分であり、気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。


◆粒の大きさでは解決しないこと

 

ここは正直に書いておく必要があります。粒が小さくなっても、変わらないことがあります。

  • ・水は油と混ざらない——これは物質の性質であって、気泡の大きさで変わるものではありません
  • ・洗浄成分の役割は代わりにならない——油分を水になじませる働きは洗浄料が担っています
  • ・時間が経って固着したものには弱い——変質した汚れは物理的に流れにくくなります
  • ・こする力の代わりにはならない——ただし、こする行為自体が別の負担になる点は意識しておきたいところです

 

ウルトラファインバブルは洗浄をサポートする技術であって、洗浄料を不要にするものではありません。「これさえあれば何もいらない」という説明を見かけたら、そこは一度立ち止まってよい部分です。


◆水圧・水量・粒の大きさは別々の指標

 

この3つは、製品説明の中でしばしば同じ文脈で語られますが、まったく別の指標です。

 

指標 何を表すか 体感として出る場所
水圧 水が押し出される勢い 当たったときの強さ
水量 単位時間あたりに出る水の量 流し終わるまでの速さ・水道使用量
水滴の大きさ 穴から出る水のつぶの径 肌当たりの柔らかさ・温度の下がりやすさ
気泡の大きさ 水中の空気の粒の径 見た目には出にくい

 

節水型のシャワーヘッドは、穴を細くして水量を絞りながら圧を保つ設計になっているものが一般的です。これは気泡の話とは無関係で、両方の機能を持つ製品もあれば、片方だけのものもあります。

「粒が細かい」という表現がどちらを指しているのか——製品を比べるときは、まずここを確認すると混乱が減ります。


◆シャワー側で調整できる3つの条件

 

水の性質は装置で決まりますが、使い方の側で調整できる条件もあります。

条件① 温度

油分は温度が下がるほど固まりやすくなります。逆に、熱すぎるお湯は必要な油分まで流しやすい方向に働くと言われており、高ければよいという単純な話ではありません。

条件② 時間

「濡らす」と「流す」は別の行為です。表面が濡れた時点で終えると、のっているだけのものも半分は残ります。秒数を決める必要はありませんが、今どのくらいかけているかを一度数えてみると差に気づきやすくなります。

条件③ 当て方

同じ時間・同じ温度でも、当て方で結果は変わります。面をなでるのではなく、境目(生え際・小鼻のわき・耳の後ろ)に水を通す意識を持つと、届いていなかった場所が見えてきます。


◆「気泡◯億個」という数字の読み方

 

製品比較でよく出てくるのが、1mLあたりの気泡数です。数字が大きいほど良さそうに見えますが、ここには注意点があります。

気泡数は測定条件によって変動するため、メーカー間の単純比較はできません。変動要因としては次のようなものがあります。

  • ・水圧(測定時に何MPaで流したか)
  • ・水温
  • ・測定機器・測定方式の違い
  • ・どの位置で、いつ採取したか

 

条件が違えば数字は変わります。したがって、数値そのものより測定条件が併記されているかを見るほうが、判断材料としては役に立ちます。


◆水の粒が関わるのは浴室だけではない

 

ここまでシャワーを軸に書いてきましたが、水の性質が関わる場面は浴室に限りません。

家庭で使う水の内訳は、風呂43%、トイレ20%、洗濯16%、炊事15%、洗面・その他6%です(東京都水道局/令和3年度)。洗顔は「洗面」、食器の下洗いは「炊事」、タオルや衣類は「洗濯」に含まれます。

シャワーヘッド型で変わる範囲

シャワーヘッド型の製品で水が変わるのは、浴室のシャワーから出る水だけです。風呂43%のうちの一部であり、浴槽の湯張り・洗面・キッチン・洗濯は対象外になります。

対象範囲を家全体に広げたい場合は、水道の元栓に装置を設置し、家に入ってくる水そのものを変える方式があります。どちらが適しているかは、何を変えたいかによって変わります。


◆よくある質問

 

Q. 泡が見えないのですが、本当に入っているのですか?

ウルトラファインバブルは1μm未満と定義されており、この大きさになると目では確認できず、水は透明のままになります。白く濁って見える場合は、それより大きいマイクロバブル領域の泡が混じっている状態です。見た目で判断できないため、確認したい場合は測定条件とセットで開示されている情報を見ることになります。

Q. 気泡が小さいほど良い製品ということですか?

用途によります。サイズによって水中でのふるまいが変わるため、大きい泡が向く場面もあれば、小さい泡が向く場面もあります。「小さいほど上位」という一直線の関係ではありません。

Q. 洗浄料を減らしてもよいのでしょうか?

水の性質が変わっても、油分を水になじませる働きは洗浄料が担ったままです。減らせるかどうかは汚れの状態によるため、一律にお伝えできる目安はありません。効果の感じ方には個人差があります。

Q. ミストシャワーとウルトラファインバブルは同じものですか?

別のものです。ミストは空気中を飛ぶ水滴を細かくしたもの、ウルトラファインバブルは水の中に含まれる気泡のことを指します。両方を備えた製品もありますが、機能としては独立しています。

Q. 水圧が弱い家でも気泡はできますか?

水圧を利用して気泡を作る方式の場合、水圧は生成に関わる条件のひとつになります。ご自宅の水圧で問題がないかは、設置前の現地確認で判断する項目です。


◆まとめ

 

✔ シャワーの「粒」には水滴と気泡の2種類がある
✔ 気泡のサイズ分類は ISO 20480-1:2017 で定義されている
✔ ウルトラファインバブルは1μm未満。髪の毛(約80μm)の80分の1より小さい
✔ 小さいほど浮かず、水と一緒に移動するため届く範囲が広がる
✔ ただし水と油が混ざらない性質や、洗浄成分の役割は変わらない
✔ 水圧・水量・粒の大きさは別々の指標として見る
✔ 気泡数の数値は測定条件とセットでなければ比較できない

水の粒の大きさという視点は、浴室だけでなく、洗面・キッチン・洗濯にも同じように当てはまります。どこまでを対象にしたいかで、選ぶべき方式が変わります。

ウルトラファインバブルフレスカは、水道の元栓に設置して家じゅうすべての水をウルトラファインバブル水に変える装置です。電源不要・消耗品なしで、設置後の維持費がかかりにくい構造になっています。

ただし、ご自宅の水圧や配管の状況によって設置条件が変わります。導入前に設置可否を確認できますので、まずはお気軽にご相談ください。

自宅に設置できるか相談する

 


◆参考

 

  • ・ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」(2017年6月22日発行)
  • ・JIS B 8741-1:2019(同名の日本産業規格)
  • ・東京都水道局「一般家庭水使用目的別実態調査」(令和3年度)

 


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