「予洗い」で洗浄の8割が決まる|お湯だけで落とせる汚れ

読了目安 約7分

シャンプー、食器洗い、洗濯。

どれにも、洗剤をつける前に水やお湯で流す工程があります。この工程を、何秒くらいかけているか意識したことはあるでしょうか。

多くの場合、答えは「数えたことがない」だと思います。洗剤を使うところから本番だと考えていれば、その前は準備運動のようなものです。

まず結論

予洗いとは、洗剤を使う前に水やお湯だけで流す工程のことです。ここで流せる汚れは、想像より多いと言われています。

ただし「予洗いで8割が決まる」という言い回しは、現場で語り継がれてきた経験則であって、測定された数値ではありません。この記事では数字そのものではなく、その考え方が支持されてきた理由のほうを見ていきます。

予洗いの質を決めるのは「時間」「温度」「水の当て方」の3つ。そして、見落とされがちな4つ目として「水そのもの」があります。

この記事では、お湯だけで落とせる汚れと落とせない汚れを整理したうえで、髪・食器・洗濯という3つの場面それぞれで、予洗いをどう考えればよいのかをまとめます。


◆この記事でわかること

 

  • ・予洗いという工程が、実際には何をしているのか
  • ・お湯だけで落とせる汚れと、落とせない汚れの線引き
  • ・予洗いの質を決める3つの条件
  • ・髪・食器・洗濯、それぞれの予洗いの考え方
  • ・予洗いを「やりすぎた」ときに起きること
  • ・条件として見落とされがちな「水そのもの」という視点

 


◆そもそも予洗いは何をしている工程なのか

 

汚れは、一枚の層としてくっついているわけではありません。おおまかに、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

  • のっているだけの汚れ——ホコリ、砂、花粉、抜けた髪。触れれば動く
  • 絡んでいる汚れ——汗や皮脂が繊維や表面に薄く広がった状態
  • 固まった汚れ——時間が経って酸化したり、乾いて張り付いたりしたもの

 

予洗いが担当しているのは、このうち上の2つです。洗剤の仕事を減らし、洗剤が本来向き合うべき汚れだけを残す——それが予洗いという工程の役割になります。

なぜ「先に減らす」ことに意味があるのか

洗剤は、汚れの量に対して働ける量が決まっています。のっているだけの汚れが大量に残った状態で洗剤を入れると、その分が先に消費され、本来落としたかった汚れに回る量が減ります。

量を増やせば解決するように思えますが、増やすほどすすぎに時間がかかり、すすぎ残しの原因にもなります。だから、先に減らしておくほうが合理的だという発想になるわけです。


◆「8割が決まる」という言い回しの受け取り方

 

「予洗いで8割決まる」という表現は、洗いに関わる現場で長く使われてきた言い方です。

ただし正直にお伝えすると、この「8割」に厳密な測定の裏付けがあるわけではありません。汚れの種類も、水の温度も、洗う対象も違うのに、どんな条件でも8割になるということはありえないからです。

それでも語り継がれてきた理由

数字の正確さとは別に、この言い回しが残ってきた理由ははっきりしています。洗剤や道具を変えるより、前工程を丁寧にするほうが結果が変わったという経験が、繰り返し共有されてきたからです。

この記事でも「8割」は目標値としては扱いません。「洗剤の前に、やれることが思ったより多い」という意味で受け取っていただくのが適切です。


◆お湯だけで落とせる汚れ・落とせない汚れ

 

では、水やお湯だけでどこまで対応できるのか。汚れの性質ごとに整理します。

 

汚れの種類 お湯だけで 理由
ホコリ・砂・花粉などの付着物 くっついているだけなので、流水で物理的に流れる
汗に含まれる水溶性の成分 そもそも水に溶ける性質
つきたての皮脂 温度が上がるほど流れやすくなる
時間が経って酸化した皮脂 変質して張り付くため、洗剤の働きが必要になる
整髪料・化粧品などの油分 × 水と混ざらない。乳化させる成分が要る
乾いた泥・粒子の大きい汚れ 乾く前なら流せる。乾いてからは砕けて残りやすい
色素・染料 × 繊維に入り込んでいるため、物理的に流せない

 

この表から見えてくるのは、予洗いが得意なのは「まだ変質していない汚れ」だということです。

言い換えれば、予洗いの効き目を大きく左右しているのは水そのものだけでなく、汚れがついてからの時間でもあります。ためこまないことが、そのまま予洗いの質になります。


◆予洗いの質を決める3つの条件

 

条件① 時間

最も差が出るのがここです。「濡らす」と「流す」は別の行為で、表面が濡れた時点で終えてしまうと、のっているだけの汚れも半分は残ります。

秒数を決める必要はありませんが、自分が今どのくらいかけているかを一度数えてみると、想像との差に気づきやすくなります。

条件② 温度

油分は、温度が下がるほど固まりやすくなります。これは油脂一般の性質で、冷たい水では皮脂や食器の油汚れが流れにくくなるのはこのためです。

ただし高ければ高いほどよいわけでもありません。熱すぎるお湯は必要な油分まで流しやすい方向に働くと言われており、この点は後述の「やりすぎ」の項目で触れます。

条件③ 水の当て方

同じ時間・同じ温度でも、当て方で結果は変わります。表面をなでるだけでは、隙間や裏側に水が届きません。

  • ・重なっている部分を開いて、内側に水を通す
  • ・面ではなく、境目(縫い目・生え際・器の縁)を意識する
  • ・こするのではなく、水そのものを動かす

 


◆場面別に見る、予洗いの考え方

 

同じ予洗いでも、場面によって狙いが変わります。

 

場面 予洗いの狙い 意識したい点
髪・頭皮を洗う前 のっている汚れを流し、洗浄成分が働ける状態にする 生え際・襟足・耳の後ろは水が届きにくい
食器を洗う前 油分が冷えて固まる前に流す ためこまない。乾かさない
洗濯の前 部分的に濃い汚れを、洗濯機に入れる前に減らす 襟・袖口・食べこぼしなど「濃い場所」だけでよい
浴室・シンクの掃除前 浮いている汚れを流し、洗剤を固着分だけに使う 乾いた状態で洗剤をかけない

 

髪と頭皮の場合

「予洗い」という言葉が最もよく使われるのがこの場面です。ここでの目的は、シャンプーを泡立ちやすい状態にすることだと説明されることが多くあります。

泡立ちが悪いと、量を足したくなります。量が増えれば、そのぶんすすぎも長く必要になる。予洗いはこの連鎖の入口にあたる工程だと考えると、位置づけが分かりやすくなります。

食器の場合

食器の予洗いは、時間との勝負です。油分は冷えると固まり、乾けば張り付きます。食後すぐに水を通しておくだけで、洗う工程の負担が変わります。

食洗機を使う場合も同様で、大きな残りかすを落としておくことは前提として案内されているのが一般的です。

洗濯の場合

洗濯機の中では、いきなり洗剤入りの水に浸かります。つまり洗濯には予洗いの工程が構造的に存在しません。だからこそ、襟や袖口のように汚れが濃い部分だけを事前に流す・つけ置くという手当てが効いてきます。


◆予洗いを「やりすぎた」ときに起きること

 

丁寧にやればやるほどよい、という話ではありません。行き過ぎると別の問題が出ます。

  • 水の使用量が増える——長く流すほど当然増えます
  • 温度を上げすぎる——落としたい油分だけを選んで流すことはできません
  • こすりすぎる——予洗いは「流す」工程であって「こする」工程ではありません
  • 時間がかかりすぎて続かない——毎日の家事は、続けられる範囲であることが条件です

 

予洗いは、長くやることではなく、届かせることが目的です。時間を倍にするより、当て方を変えるほうが効くことは少なくありません。


◆見落とされがちな4つ目の条件「水そのもの」

 

ここまで挙げた3条件は、いずれもこちら側の行為です。時間をかける、温度を選ぶ、当て方を変える。

一方で、予洗いにはもう一つの変数があります。洗剤を使わない工程だからこそ、水の性質がそのまま条件になるという点です。

ウルトラファインバブルという選択肢

ウルトラファインバブル(UFB)は、直径1μm(0.001mm)未満の、目に見えないほど微細な気泡です。国際規格 ISO 20480-1:2017 で、この大きさの気泡を指す用語として定義されています。

気泡が微細であるほど、狭い隙間にも水が入り込みやすくなると考えられており、洗浄をサポートする働きが期待されています。汚れそのものを分解する技術ではないため、洗剤が不要になるわけではありません。

ただし予洗いは、そもそも洗剤を使わない工程です。水の側の条件が結果に直結する数少ない場面と言えます。

予洗いは家じゅうで起きている

ここまで見てきたとおり、予洗いは浴室だけの話ではありません。キッチンでも、洗面所でも、洗濯の前にも発生します。

家庭で使う水の内訳を見ると、風呂が43%、トイレ20%、洗濯16%、炊事15%、洗面・その他6%です(東京都水道局/令和3年度)。予洗いという行為は、このうち複数の場所にまたがって存在しています。

シャワーヘッド型のウルトラファインバブル製品で変わるのは、このうち浴室のシャワーから出る水だけです。家じゅうの予洗いを対象にしたい場合は、水道の元栓に装置を設置して、家に入ってくる水そのものを変える方式があります。


◆よくある質問

 

Q. 予洗いをすれば洗剤は使わなくてよくなりますか?

いいえ。予洗いで流せるのは、まだ変質していない汚れが中心です。酸化した皮脂や油分の多い汚れには、従来どおり洗剤が必要になります。

Q. 予洗いは何秒くらいが目安ですか?

対象も汚れ方も違うため、一律の秒数はお伝えできません。ただ「今どのくらいかけているか」を一度数えてみると、短すぎる場合はすぐに分かります。

Q. 水よりお湯のほうがよいのでしょうか?

油分を含む汚れについては、温度が高いほうが流れやすい傾向があります。ただし熱すぎるお湯は必要な油分まで流しやすい方向に働くとも言われており、高ければよいという単純な話ではありません。

Q. ウルトラファインバブルの水にすれば予洗いは省略できますか?

省略できるものではありません。ウルトラファインバブルは洗浄をサポートする技術であり、工程そのものを置き換えるものではないためです。効果の感じ方には個人差があります。

Q. 洗濯機の「予洗いコース」とは違うものですか?

機種によって内容は異なりますが、洗剤を入れる前に水で回す工程を指すことが多いようです。考え方はこの記事と同じで、洗剤が向き合う汚れを先に減らすことが目的になります。


◆まとめ

 

✔ 予洗いは「洗剤の仕事を減らす」ための工程
✔ 「8割決まる」は経験則。数値としては扱わない
✔ お湯だけで流せるのは、まだ変質していない汚れが中心
✔ 質を決めるのは時間・温度・水の当て方の3条件
✔ 長く流すことより、届かせることが目的
✔ 洗剤を使わない工程だからこそ、水そのものが4つ目の条件になる

予洗いは、浴室・キッチン・洗面・洗濯と、家じゅうで毎日繰り返されている工程です。だからこそ、水の側の条件を変えると影響する場面が多くなります。

ウルトラファインバブルフレスカは、水道の元栓に設置して家じゅうすべての水をウルトラファインバブル水に変える装置です。電源不要・消耗品なしで、設置後の維持費がかかりにくい構造になっています。

ただし、ご自宅の水圧や配管によって設置条件が変わります。導入前に設置可否を確認できますので、まずはお気軽にご相談ください。

自宅に設置できるか相談する

 


◆参考

 

  • ・東京都水道局「一般家庭水使用目的別実態調査」(令和3年度)
  • ・ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」

 


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