水資源とウルトラファインバブル|これからの「水の使い方」を考える3つの方向

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水の話をするとき、多くの人が最初に思い浮かべるのは「節水」です。出しっぱなしにしない、こまめに止める、少ない水で済ませる。

大切な行動ですが、それだけだと水との付き合い方が「我慢の量を競う話」に収束してしまいます。

この記事では、産業分野で使われている水の捉え方を借りながら、もう少し広い視野で「これからの水の使い方」を整理してみます。

まず結論

地球上の水の総量は、使っても減りません。水は循環しているからです。減るのは「使える形で、必要なときに、手元にある水」のほうです。

そして蛇口の水は、自然に湧いてくるわけではありません。取水し、浄水し、送り、使い、集め、処理して、川や海に戻す——この往復のすべてに設備とエネルギーがかかっています。水を使うとは、この往復を1回動かすということです。

だから水の見直しには、3つの方向があります。①使用量を減らす ②再利用する ③同じ量でできることを増やす。もっとも語られにくいのが3つ目で、産業分野ではこれが正面から扱われてきました。この記事では、その考え方を家庭の水に翻訳してみます。


◆この記事でわかること

 

  • ・水は減らないのに、なぜ「水資源」が問題になるのか
  • ・蛇口の水が届き、流れ去るまでの往復にかかっているもの
  • ・産業界が使う「原単位」という水の見方
  • ・水リスクが量だけの話ではない理由
  • ・水の見直しにある3つの方向と、その効き方の違い
  • ・節水器具と、水の状態を変える技術の目的の違い

 


◆水は減らない。減るのは「使える水」

 

水を使っても、水そのものが消滅するわけではありません。蒸発し、雲になり、雨として降り、川を流れ、海に戻る。循環しているので、総量は変わりません。

では何が問題なのか。「どこに」「いつ」「どんな質で」あるかが偏っていることです。

  • ・地球上の水の大半は海水で、そのままでは生活に使えません
  • ・淡水の多くは氷や地下深くにあり、簡単には取り出せません
  • ・雨は降る時期と場所が偏ります。降ったそばから海に流れていく分もあります
  • ・汚れた水は、処理を経なければ使い直せません

 

つまり水資源の問題とは、量の問題であると同時に「取り出しやすさ」と「タイミング」の問題です。この見方に立つと、水との付き合い方の選択肢が増えます。


◆蛇口の水が、家に届くまで/出ていくまで

 

 

段階 やっていること かかっているもの
① 取水 川や地下から水を取る 取水施設。取れる量は季節に左右される
② 浄水 飲める水質に整える 浄水施設と薬品、管理の手間
③ 送水・給水 管を通して家まで届ける ポンプの電力と、長い管路の維持
④ 使用 洗う・流す・浴びる 給湯する場合はさらにエネルギー
⑤ 排水・処理 集めて処理し、川や海へ戻す 下水道と処理施設の運転

 

この表で見てほしいのは、①〜⑤のすべてに設備と運転が必要だという点です。水は「そこにあるもの」ではなく、「動かし続けているもの」なのです。

しかも管路は地中にあり、時間とともに更新が必要になります。使うたびに設備が少しずつ消耗していく——水道はそういう仕組みでもあります。


◆「水を使う」とは「運んでもらう」こと

 

前の節を一言でまとめると、こうなります。水を使うという行為は、水を運び、処理してもらうという行為とセットになっている。

この見方を取ると、意外な結論が出てきます。使った水の量だけでなく、「何回その往復を起こしたか」も効いてくるということです。

たとえば、一度で済まずにもう一度洗い直したとします。使った水の量が増えるだけでなく、給湯のエネルギー、排水処理の負荷、かかった時間も増えます。やり直しは、往復をまるごと1回追加する行為です。

節水を「1回あたりの量を削る」と定義すると、この視点は出てきません。回数のほうに目を向けると、打ち手が変わります。


◆産業は水を「原単位」で見ている

 

産業分野では、水の使用量を総量だけで見ることをしません。製品を1つ作るのに、どれだけの水を使ったか——という見方をします。これを原単位と呼びます。

総量で見ると、生産が増えれば使用量も増えるため、努力の成果が見えません。原単位で見れば、同じ成果をより少ない水で達成できたかどうかが分かります。

この考え方が定着している分野では、打ち手も具体的になります。

  • ・循環させる:使った水を処理して再び使う
  • ・用途を分ける:高い水質が要る工程と、そうでない工程を分ける
  • ・やり直しを減らす:不良や再洗浄が減れば、水の使用も減る
  • ・工程そのものを見直す:水を使う量が少なくて済む方法に切り替える

 

家庭には原単位という言葉は要りません。しかし「同じ結果を、より少ない往復で」という発想は、そのまま持ち込めます。


◆水リスクは、量だけの話ではない

 

産業界では「水リスク」という枠組みも使われます。これも量だけの話ではありません。

  • ・量のリスク:必要なときに必要な量が確保できるか
  • ・質のリスク:求める水質が得られるか
  • ・時期のリスク:季節や天候によって条件が変わらないか
  • ・制度のリスク:排水や取水に関する要求が変わらないか

 

家庭でこの言葉を使うことはありませんが、「量」と「質」を別の軸として持っておくという発想は役に立ちます。

節水は量の軸の話です。では、質の軸で家庭にできることは何か——ここが、この記事の後半のテーマになります。


◆「減らす」には3つの方向がある

 

 

方向 やること 家庭での現実味
① 使用量を減らす 1回あたりの量を削る 高い。ただし我慢に寄りやすい
② 再利用する 使った水を別の用途に回す 限定的。設備と衛生上の制約がある
③ 同じ量でできることを増やす 水そのものの条件を整える 語られにくいが、我慢を伴わない

 

①と②はよく語られます。しかし①は続けにくく、②は家庭では制約が大きい。結果として、③がぽっかり空いたまま残っています。

産業分野で技術開発が進んできたのは、まさにこの③の領域でした。


◆水そのものの状態、という考え方

 

③に位置するもののひとつが、ウルトラファインバブル(UFB)です。

気泡のサイズには国際規格による定義があります。ISO 20480-1:2017では、直径100μm未満を「ファインバブル」と総称し、1〜100μmを「マイクロバブル」、1μm未満を「ウルトラファインバブル」と区分しています。2017年6月22日発行の、この分野で最初の国際規格です。国内では JIS B 8741-1:2019 が対応します。

1μm未満まで小さくなると浮力がほとんど働かず、浮上しないまま水中にとどまり続けます。目に見えないため、水の見た目は普通の水と変わりません。

この技術がもともと向き合っていたのも、実は水環境の課題でした。開発の出発点はダム貯水池の水質浄化で、専門分野は水工水理学。水資源という文脈から生まれた技術だと言えます。その経緯はウルトラファインバブルの歴史をまとめた記事で扱っています。


◆節水器具とは、目的が違う

 

ここは誤解が生まれやすいので、はっきり分けておきます。

  • ・節水器具:出てくる水の量そのものを絞る。狙いは①の方向
  • ・水の状態を変える技術:量は変えず、水の条件に働きかける。狙いは③の方向

 

目的が違うので、ウルトラファインバブルは節水のための技術ではありません。「導入すれば水道代が下がる」という説明の仕方はしていません。

ただし、往復の回数という視点で見れば無関係でもありません。やり直しが減れば、その分の往復は起きないからです。直接ではなく、間接的に関わる——この距離感で理解しておくのが正確です。効果の感じ方には個人差があります。

期待値の置き方については「効果なし」と言われる理由を検証した記事が参考になります。


◆家庭でできることの、現実的な範囲

 

最後に、家庭に落とし込みます。産業のように測定も記録もしない以上、判断に頼らず、条件のほうを整えるのが現実的です。

  • ・やり直しが起きにくい状態を作る:往復の回数がいちばん効きます
  • ・汚れを乾かさないうちに扱う:後工程の負担が変わります
  • ・使う場所ごとに考えず、家全体で捉える:水は同じ配管を通っています
  • ・量の軸と質の軸を分けて考える:混ぜると判断がぶれます

 

3つ目に関連して、水まわりの機器には方式の違いがあります。シャワーヘッドのように使う場所に取り付ける方式は対象がその場所に限られ、水道の元栓に設置する方式は家じゅうの水が対象になります。どちらが適しているかは住まいと目的によって変わります。詳しくは全館型とシャワーヘッド型を比較した記事をご覧ください。


◆よくある質問

 

Q. ウルトラファインバブルを導入すると節水になりますか?

水量そのものを絞る製品ではないため、節水を目的とした技術ではありません。ただし洗い直しの回数が減れば、結果として使う水にも間接的に関わります。数値でのお約束はしておりません。

Q. 水は循環しているのに、なぜ大切に使う必要があるのですか?

総量は変わりませんが、使える形で手元に届けるまでに取水・浄水・送水という工程が必要で、使ったあとにも処理が必要だからです。動かしているのは水そのものではなく、その仕組みのほうだと考えると分かりやすくなります。

Q. 家庭で水を再利用するのは現実的ですか?

用途によります。設備面と衛生面の制約があるため、家庭で広く行えるものではありません。無理のない範囲で、既存の設備の使い方を見直すほうが現実的です。

Q. ウルトラファインバブルは水資源の問題を解決しますか?

そのような技術ではありません。水資源は取水・浄水・配水・処理という社会全体の仕組みで支えられており、ひとつの製品で解決する性質のものではありません。

Q. 家全体を対象にすると、水道の使用量は増えませんか?

元栓に設置する方式は、通る水の状態に関わるもので、水の使用量を増やすものではありません。ただし住まいの給水条件によって設置可否が変わるため、事前の確認が必要です。


◆まとめ

 

✔ 地球上の水は循環しており、使っても総量は減らない
✔ 減るのは「使える形で、必要なときに、手元にある水」
✔ 蛇口の水は取水・浄水・送水・使用・処理という往復を経ている
✔ 水を使うとは、その往復を1回動かすということ
✔ やり直しは、往復をまるごと1回追加する行為
✔ 産業は水を総量ではなく原単位で見ている
✔ 水リスクには量・質・時期・制度の4つの側面がある
✔ 水の見直しには「減らす」「再利用する」「同じ量でできることを増やす」の3方向がある
✔ ウルトラファインバブルは節水の技術ではなく、3つ目の方向に位置する

水との付き合い方を我慢の量で測るのをやめると、「同じ量の水で、何ができるか」という問いが残ります。産業分野が長く取り組んできたのは、この問いのほうでした。

ウルトラファインバブルフレスカは、住宅の水道元栓に設置する全館型のウルトラファインバブル発生装置です。接続規格はG3/4、外形全長は約80mm。水圧を利用して気泡を生成する構造のため電源が不要で、フィルターなどの消耗品交換も前提としていません。

元栓に設置するため、対象になるのは浴室・キッチン・洗面・洗濯・トイレ・屋外水栓といった家じゅうの水です。節水や水道代の削減を目的とした製品ではありませんが、家全体の水の条件を揃えるという選択肢として検討いただけます。設置可否は住まいの給水条件によって変わりますので、まずは条件のご確認からご案内しています。月額制でも導入いただけます。

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