ウルトラファインバブルのよくある誤解7つ|信じられている話を事実で整理する

読了目安 約8分

ウルトラファインバブルについて調べていると、書かれていることが媒体によって食い違います。

「泡が見えないなら効いていない」と断じるページがあれば、「億単位の泡が出る」と数字を並べるページもある。「洗剤が要らなくなる」と書くところもあれば、「そんなことはない」と否定するところもある。

どれが正しいのか分からなくなるのは、読み手の理解力の問題ではありません。誤解が生まれやすい構造が、この技術そのものにあるからです。

まず結論

よくある誤解は、次の7つに整理できます。

① 泡が見えないのは効いていない証拠 ② 泡の数が多いほど高性能 ③ マイクロバブルとUFBは同じもの ④ 最近生まれた新しい技術 ⑤ シャワーヘッドを替えれば家じゅうの水が変わる ⑥ 洗剤が要らなくなる ⑦ 導入すればすぐに違いが分かる

このうち①③④は事実で明確に否定できます。②⑤は「前提が抜けている」タイプ、⑥⑦は期待が実際より先行しているタイプです。

共通する原因はひとつ。ウルトラファインバブルが直径1μm未満の、目に見えない気泡だという点にあります。


◆この記事でわかること

 

  • ・ウルトラファインバブルに誤解が生まれやすい構造的な理由
  • ・よく見かける7つの誤解と、実際のところ
  • ・ISO規格でどこまでが定義されているのか
  • ・「泡の数」の数字をどう読めばいいのか
  • ・期待しすぎないほうがよい点(自社に不利な話も含めて)

 


◆なぜ誤解が生まれるのか

 

理由は単純です。確かめられないから

ウルトラファインバブルは直径1μm未満の気泡です。1μmは0.001mm。髪の毛の太さがおよそ80μmですから、その80分の1より小さい世界の話になります。

これだけ小さいと、目では確認できません。蛇口をひねっても水は透明のまま。買った人も、売る人も、その場では見えない。この「確認できなさ」が、誇張と否定の両方を生みます。

誇張する側は、見えないから何とでも書けてしまう。否定する側は、見えないから「何も起きていない」と結論づけてしまう。誤解の多くは、この両端から生まれています。


◆誤解① 泡が見えないのは、効いていない証拠

 

最もよく見かける誤解です。

シャワーから白く濁った水が出る様子を思い浮かべる方が多いのですが、あの白さはマイクロバブル(1〜100μm)の領域で起きる現象です。光を散乱させる大きさがあるため、白く見えます。

ウルトラファインバブルは1μm未満。可視光の波長より小さい領域に入るため、水が透明のままなのが正常な状態です。

つまり「白くならないから効いていない」という判断は、マイクロバブルの物差しでウルトラファインバブルを測っていることになります。この誤解の詳しい背景は「ウルトラファインバブルは効果なし」は本当?シャワーヘッド型と家中まるごと型の決定的な違いで扱っています。


◆誤解② 泡の数が多いほど高性能

 

「◯億個」という表記は、製品比較でよく使われます。しかしこの数字は、そのままでは比較に使えません

気泡の個数濃度は、測定するときの条件で変動するためです。

 

変動する要因 なぜ数字が変わるのか
水圧 気泡の生成量そのものが変わるため
水温 気体の溶けやすさが変わるため
測定機器・測定方式 検出できる粒径の範囲が機器ごとに異なるため
採取する距離・タイミング 吐水口からの距離や時間で状態が変わるため

 

同じ製品でも、条件を変えれば数字は動きます。だから測定条件が書かれていない数値どうしを比べても、意味のある比較にはなりません

見るべきは数字の大きさではなく、その数字がどんな条件で測られたかが併記されているかです。この読み方は泡の「数」や「特許」の文字だけで選ぶと後悔する|ウルトラファインバブル製品を見抜く5つの判断基準で詳しく整理しています。


◆誤解③ マイクロバブルとUFBは同じもの

 

これは事実として否定できます。両者は国際規格でサイズによって明確に区別されています

 

名称 直径 水中でのふるまい
ミリバブル(参考) 100μm以上 浮上してすぐ弾ける
マイクロバブル 1〜100μm 白く見える。水中で収縮していく
ウルトラファインバブル 1μm未満 浮力がほとんど働かず、水中に長くとどまる

 

この区分は、ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」で定められています。2017年6月22日発行、ISO/TC 281(ファインバブル技術専門委員会)が発行した国際規格の第1号にあたり、日本にはJIS B 8741-1:2019 という対応規格もあります。

つまり「ウルトラファインバブル」は業界がつくった宣伝用語ではなく、国際規格で定義された用語です。ただし、規格が製品の性能を保証するわけではない点は区別しておく必要があります。規格は用語と測定方法を定めるものであって、優劣を決めるものではありません。

3種類の泡の違いはファインバブル・マイクロバブル・ウルトラファインバブルの違い|サイズで変わる3つの泡の性質で詳しく解説しています。


◆誤解④ 最近生まれた新しい技術

 

家庭向け製品が広まったのは近年ですが、技術そのものの歴史は長いものです

徳山工業高等専門学校 土木建築科の大成博文教授は、1980年代初めからマイクロバブル技術を独自に開発してきました。専門は水工水理学で、当初の目的はダム貯水池の水質浄化。美容や洗浄のための技術として始まったわけではありません。

その後、広島湾のカキ養殖への応用が報告されています。論文「マイクロバブル技術によるカキ養殖効果」(水工学論文集 第46巻、2002年2月)では、大量斃死が続いていたカキの生育、成長促進による養殖期間の短縮、品質の向上、生産額の増大が報告されています。

つまりこの技術は、産業や環境の課題を解決する文脈で育ってきたものです。詳しい経緯はウルトラファインバブルは日本発の技術|広島湾のカキ養殖から始まった歴史にまとめています。


◆誤解⑤ シャワーヘッドを替えれば家じゅうの水が変わる

 

これは製品の説明が悪いというより、読み手が範囲を広く受け取ってしまうタイプの誤解です。

東京都水道局の一般家庭水使用目的別実態調査(令和3年度)によると、家庭の水の内訳は風呂43%、トイレ20%、洗濯16%、炊事15%、洗面・その他6%。

シャワーヘッドを交換して変わるのは、この「風呂43%」のうち浴槽の湯張りを除いたさらに一部です。洗濯機の水も、キッチンの水も、洗面台の水も、シャワーヘッドを替えただけでは変わりません。

「導入したのに変化を感じない」という声の一部は、性能の問題ではなく対象範囲の思い違いから生まれています。方式ごとの違いは全館型ウルトラファインバブル vs シャワーヘッド型|あなたの家に必要なのはどっち?で比較しています。


◆誤解⑥ 洗剤が要らなくなる

 

ここからは、期待が先行しているタイプの誤解です。当社としても正直に書きます。

洗剤が不要になるという説明はしていません。

ウルトラファインバブルの表面はマイナスに帯電しやすい性質があるとされ、皮脂やタンパク質の汚れに近づきやすいと考えられています。ただしこれは、洗剤のように汚れを溶かし分散させる働きとは種類が違います。位置づけとしては、洗浄をサポートするものです。

実際に導入された方から「洗剤の量を見直した」という声はありますが、それは結果として生じた変化であって、洗剤をゼロにできるという意味ではありません。効果の感じ方には個人差があります。


◆誤解⑦ 導入すれば、すぐに違いが分かる

 

これも正直に書きます。導入した翌日に劇的な変化が分かる技術ではありません。

水は透明のままですし、蛇口をひねった瞬間に何かが起きるわけでもない。変化が現れるのは、掃除の頻度、洗濯物のニオイ戻り、水まわりの汚れの付き方といった、生活の積み重ねの側です。

そのため判断には時間が要ります。目安として2〜4週間の生活実感で見るのが、この技術に合った判断のしかたです。

逆に言えば、初日に劇的な変化を期待して導入すると、期待とのずれが生じます。ここを最初にお伝えしておくのが誠実だと考えています。


◆7つの誤解と、実際のところ

 

ここまでを一覧にまとめます。

 

よくある誤解 実際のところ タイプ
① 泡が見えないのは効いていない証拠 1μm未満は目で見えない。透明が正常 事実で否定できる
② 泡の数が多いほど高性能 測定条件で変動する。条件の併記を見る 前提が抜けている
③ マイクロバブルとUFBは同じ ISO 20480-1:2017でサイズにより区別 事実で否定できる
④ 最近の新しい技術 1980年代からの研究が土台にある 事実で否定できる
⑤ シャワーヘッドで家じゅう変わる 変わるのは風呂43%のさらに一部 前提が抜けている
⑥ 洗剤が要らなくなる 洗浄をサポートする位置づけ 期待が先行
⑦ すぐに違いが分かる 目安は2〜4週間の生活実感 期待が先行

 

こうして並べると、「事実で否定できる」ものと「期待の調整が必要」なものが混ざっていることが分かります。前者は調べれば解決しますが、後者は売る側が最初に伝えるべき情報です。


◆よくある質問

 

Q. 本当に泡が出ているか、自分で確認する方法はありますか?

1μm未満の気泡は目視では確認できません。専用の測定機器が必要になるため、家庭で判定する方法はないとお考えください。だからこそ、測定条件を開示しているかどうかが判断材料になります。

Q. 配管に負担がかかるという話を聞きました。

ウルトラファインバブルは水と気体で構成されるもので、高圧洗浄機のような物理的な衝撃を与えるものではありません。ただし既存配管の状態や施工の品質は確認が必要な項目です。

Q. 認証を取得している製品を選べば間違いありませんか?

認証制度は測定方法の妥当性や品質管理を確認する仕組みで、製品間の優劣を決めるものではありません。判断材料の一つとして、対象範囲や維持費など他の軸とあわせて見ることをおすすめします。

Q. 白く濁るシャワーのほうが効果が高いのでは?

白く見えるのはマイクロバブルの領域で起きる現象です。サイズが違えば水中でのふるまいも変わるため、白さの有無は性能の高低を示す指標にはなりません。

Q. 効果を実感できなかったという口コミも見かけます。

対象範囲の思い違い、判断までの期間が短い、期待の前提がずれている——理由はいくつか考えられます。効果の感じ方には個人差がありますので、判断の軸を先に決めておくことをおすすめします。


◆まとめ

 

✔ 誤解の原因は目に見えないこと。誇張と否定の両方がここから生まれる
✔ 泡が見えないのは正常。白く見えるのはマイクロバブルの領域
✔ 泡の数は測定条件で変動する。条件が併記されているかを見る
✔ UFBとマイクロバブルはISO 20480-1:2017 でサイズにより区別される
✔ 技術の土台は1980年代から。水質浄化の研究から始まった
✔ 洗剤は不要にならない。位置づけは洗浄のサポート
✔ 判断は初日ではなく2〜4週間の生活実感

正しく期待を持つことは、過度に期待しないことと同じくらい大切です。効果の感じ方には個人差がありますが、何が起きて何が起きないのかを先に知っておけば、判断は落ち着いて進められます。

ウルトラファインバブルフレスカは、住宅の水道元栓に設置して家じゅうの水を対象にする方式です。浴室だけでなく、キッチン・洗面・洗濯・トイレ・屋外水栓まで宅内の水が対象になります。

できることとできないことは、最初に正確にお伝えしています。ご自宅の元栓の位置や配管、水圧によって設置条件が変わりますので、まずは設置できるかどうかの確認からご案内しています。

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◆参考

 

  • ・ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」(2017年6月22日発行)/対応JIS:JIS B 8741-1:2019
  • ・東京都水道局「一般家庭水使用目的別実態調査」(令和3年度)
  • ・大成博文ほか「マイクロバブル技術によるカキ養殖効果」水工学論文集 第46巻(2002年2月)

 


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