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「塩素が気になるので、ウルトラファインバブルを検討しています」
こうしたお問い合わせをいただくことがあります。ありがたいご関心なのですが、そのまま導入されると期待とずれてしまうため、先に整理させてください。
ウルトラファインバブルと塩素は、そもそも扱っている話が違います。ここを混同したまま製品を選ぶと、「思っていた機能がなかった」ということになりかねません。
まず結論
ウルトラファインバブルの発生と、塩素の低減は、まったく別の機能です。
ウルトラファインバブルは、水に微細な気泡を「加える」技術です。一方、いわゆる塩素除去・塩素低減は、水から成分を「取り除く/変化させる」技術です。方向が逆を向いています。
そのため、ウルトラファインバブルフレスカは浄水器ではなく、塩素を取り除く機能は持っていません。塩素を減らしたい場合は、その機能を目的とした製品を別に検討する必要があります。
どちらが優れているという話ではありません。目的が違うので、片方がもう片方の代わりにはならない——これがこの記事でお伝えしたい要点です。
◆この記事でわかること
- ・残留塩素が水道水に含まれている理由
- ・「塩素除去」をうたう製品が実際にしていること
- ・ウルトラファインバブルが水に対してしていること
- ・「加える技術」と「取り除く技術」の違い
- ・塩素が気になる場合の、現実的な考え方
◆残留塩素は、なぜ水道水に含まれているのか
まず前提から確認します。
水道水は、浄水場で処理されたあと、長い配管を通って各家庭に届きます。この道のりの間、水の衛生状態を保つために消毒が行われています。そして蛇口から出る時点でも一定の消毒効果が残るように管理されている——これが「残留塩素」と呼ばれるものです。
つまり残留塩素は、処理の失敗で残ってしまった不純物ではありません。安全な水を家庭まで届けるために、意図して残されているものです。
「塩素=悪いもの」という単純な話ではない
この点は誤解されやすいところです。塩素を取り除けば水は無条件に良くなる、という話ではありません。
実際、浄水器を通した水は消毒効果が弱まるため、汲み置きせず早めに使い切ることが推奨されるのが一般的です。取り除くという行為には、取り除いたあとの扱いという責任がついてきます。
一方で、においが気になる、肌や髪への刺激が気になるという理由で塩素を減らしたいというニーズがあることも事実です。どちらの立場も否定するものではありません。ただ、機能としては明確に分けて考える必要があります。
◆「塩素除去」をうたう製品は何をしているのか
塩素を減らす製品は、大きく2つの方向に分けられます。
- ・ろ材を通す方式——活性炭などの材料に水を通し、塩素を吸着させて減らす。浄水器や浄水カートリッジ付きのシャワーヘッドがこのタイプです
- ・薬剤で変化させる方式——ビタミンC(アスコルビン酸)などを水に加え、化学反応によって塩素を別の物質に変える方式です
仕組みは違いますが、共通しているのは「水の中身を変える」ことを目的にしているという点です。そして、どちらの方式も働きを続けるための材料を消費します。
活性炭は吸着できる量に限りがあり、飽和すれば交換が必要です。薬剤も使えば減ります。したがって、これらの製品にはカートリッジ交換や薬剤補充というランニングコストが構造上ついてくることになります。欠点ではなく、機能を維持するために必要な設計です。
◆ウルトラファインバブルが水にしていること
では、ウルトラファインバブルの装置は何をしているのか。
やっていることは一つです。通過する水に、直径1μm未満の微細な気泡を発生させる。それだけです。
この「1μm未満」という定義は、ISO 20480-1:2017 という国際規格で定められています。業界の宣伝用語ではなく、規格で用語が整理されている技術です。泡のサイズによる分類はファインバブル・マイクロバブル・ウルトラファインバブルの違いで詳しく整理しています。
重要なのは、ここに「水から何かを取り除く」という工程が一切含まれていないことです。
水圧を利用して気泡を発生させる方式の場合、装置の内部には水をこすためのろ材がありません。ろ材がなければ、吸着による除去も起こりません。構造的に、成分を取り除く機能を持っていないのです。
◆「加える技術」と「取り除く技術」を並べる
2つを表で見比べると、違いがはっきりします。
| 観点 | ウルトラファインバブル発生装置 | 浄水・塩素低減を目的とした製品 |
|---|---|---|
| 水に対する働き | 加える(微細な気泡) | 取り除く/変化させる(塩素など) |
| 主な目的 | 洗浄をサポートする、汚れを付きにくくする | においや成分が気になる点に対応する |
| 仕組み | 水圧と内部構造で気泡を発生させる | ろ材への吸着、または薬剤による反応 |
| 消耗品 | ろ材を使わない方式では発生しない | カートリッジ・薬剤の交換が前提 |
| 水の成分 | 変えない | 変える |
| 飲用への関与 | 関与しない | 製品によっては飲用を想定 |
この表の「水の成分」の行が、いちばんの分かれ目です。ウルトラファインバブルは水の成分を変える技術ではありません。したがって、塩素の量にも影響を与えません。
◆よくある誤解① 泡が塩素を取り込んでくれる
「微細な泡が汚れを吸着するなら、塩素も吸着するのでは」というご質問をいただくことがあります。
ウルトラファインバブルについては、表面がマイナスに帯電しやすいとされ、皮脂やタンパク質などの汚れに吸着すると考えられています。ただし、この性質を「水に溶けている成分を取り除ける」という話に拡張することはできません。
汚れが物として存在するものであるのに対し、残留塩素は水に溶け込んだ状態にあります。同じ「吸着」という言葉でも、対象も現象も別です。メカニズムを飛躍させた説明には注意してください。
製品説明で何が根拠として示されているかを見る視点については、泡の「数」や「特許」の文字だけで選ぶと後悔するもあわせてご覧ください。
◆よくある誤解② カルキ臭が気にならなくなった=塩素が減った
導入後に「においが気にならなくなった」というお声をいただくことがあります。
こうした体感を否定するつもりはありません。ただし、においの感じ方が変わったことと、水に含まれる塩素の量が減ったことは、別の話です。
においの感じ方は、水温、湿度、体調、その場の空気の流れ、そして「そういうものだ」という思い込みによっても変わります。装置の導入をきっかけに水を意識するようになれば、感じ方が変わることも起こりえます。
つまり体感の変化を、成分の変化の証拠として扱うことはできません。効果の感じ方には個人差があります。当サイトでは、塩素に関して「減ります」というご案内はしていません。
◆塩素が気になる場合の、現実的な考え方
では、塩素が気になる方はどうすればよいのか。整理すると3つの選択肢になります。
- ・① 塩素低減を目的とした製品を選ぶ——それが第一の目的なら、その機能を持つ製品を選ぶのが素直です
- ・② 目的別に併用する——家じゅうの水にウルトラファインバブルを、飲用や特定の箇所に浄水機能を、という組み合わせ方です
- ・③ 優先順位を決める——両方に予算を割けない場合、どちらの課題が生活の中で大きいかで決めます
併用を考えるときの注意点
②の併用は現実的な選択肢ですが、確認が要ります。
- ・設置の順序と位置——どちらを先に通すかで条件が変わる場合があります
- ・水圧への影響——ろ材を通す製品は流れの抵抗になります。水圧を利用して気泡を発生させる方式との組み合わせは、事前の確認が必要です
- ・それぞれの製品の使用条件——メーカーが想定していない組み合わせでないか
併用の可否は住宅の配管条件と製品の仕様によって変わるため、一律に「できます」とも「できません」ともお答えしていません。ご使用中・ご検討中の製品をお伝えいただければ、条件を確認したうえでご案内します。
◆設置位置の違いで、対象になる範囲が変わる
機能の違いに加えて、もう一つ押さえておきたいのが設置位置です。
| 設置位置 | 対象になる水 | よくある製品 |
|---|---|---|
| 水道の元栓 | 宅内の水すべて(浴室・キッチン・洗面・洗濯・トイレ・屋外水栓) | 元栓設置型のUFB発生装置 |
| シャワーヘッド | 浴室のシャワーから出る水のみ | シャワーヘッド型のUFB・浄水シャワー |
| キッチンの蛇口 | そのシンクの水のみ | 据置型・蛇口直結型の浄水器 |
「どの機能か」と「どこまで届くか」は別の軸です。この2軸で整理すると、自宅に必要な組み合わせが見えやすくなります。設置位置による効果範囲の違いは全館型ウルトラファインバブル vs シャワーヘッド型で詳しく比較しています。
◆よくある質問
Q. フレスカを付ければ、塩素は減りますか?
減りません。フレスカは水に微細な気泡を発生させる装置であり、浄水器ではありません。水から成分を取り除く構造を持っていないため、残留塩素の量には影響しません。
Q. 浄水器と併用できますか?
住宅の配管条件と、お使いの浄水器の仕様によって変わります。設置の順序や水圧への影響を確認する必要があるため、一律にはお答えしていません。製品の型番をお伝えいただければ、条件を確認したうえでご案内します。
Q. 塩素が気になるなら、どちらを先に導入すべきですか?
塩素そのものが第一の関心事であれば、塩素低減を目的とした製品が優先されます。一方、掃除の手間や洗濯の仕上がりが主な関心事であれば、目的が異なりますので順序も変わります。何を解決したいかを先に決めていただくのが確実です。
Q. UFBの水は飲めますか?
水そのものは水道水のままです。気泡を加えているだけで、成分を変えているわけではありません。ただし飲用の可否は水道水としての水質の話になりますので、装置の有無とは切り離してお考えください。
Q. カルキ臭が気にならなくなったという話を聞きましたが?
そうしたお声をいただくことはありますが、においの感じ方は水温や体調、その場の環境によっても変わります。塩素の量が減ったことを示すものではありませんので、そのようにはご案内していません。効果の感じ方には個人差があります。
Q. 塩素を取り除いた水にUFBを発生させることはできますか?
技術的な組み合わせとしては考えられますが、実際に設置できるかは配管の構成と水圧、それぞれの製品の使用条件によります。個別の確認が必要な領域です。
◆まとめ
✔ ウルトラファインバブルの発生と塩素の低減は、別の機能
✔ 前者は水に気泡を「加える」技術、後者は成分を「取り除く/変化させる」技術
✔ フレスカは浄水器ではなく、塩素を取り除く機能は持っていない
✔ 残留塩素は、水の衛生を保つために意図して残されているもの
✔ 泡が汚れに吸着するという性質を、溶けている成分の除去に拡張することはできない
✔ においの体感が変わることと、塩素の量が変わることは別の話
✔ 併用の可否は配管条件と製品仕様によるため、事前確認が必要
「何ができないか」を先に書いておくほうが、結果的に納得のいく選び方につながります。塩素が第一の関心事であれば、その機能を持つ製品を選んでいただくのが確実です。効果の感じ方には個人差があります。
ウルトラファインバブルフレスカは、水道の元栓に設置して家じゅうの水に微細な気泡を発生させる装置です。浄水機能は持たない代わりに、電源不要・消耗品なしで、宅内のすべての水栓が対象になります。
すでに浄水器をお使いの場合や、これから併用をお考えの場合は、配管の条件によって設置の可否が変わります。まずは設置できるかどうかの確認からご案内しています。
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