読了目安 約9分
「ウルトラファインバブル」と書かれた製品は、いまや数え切れないほどあります。
価格帯も幅広く、説明の書きぶりもまちまち。どれが信用できるのか、判断しづらいのが実情ではないでしょうか。
この記事では、自分で判断するための軸を6つ提示します。
まず結論
最初にお伝えしておくと、「本物か偽物か」という二分法には限界があります。
国際規格 ISO 20480-1:2017 は用語と測定の一般原則を定めたものであり、製品の真贋を判定する制度ではないからです。「規格に認定された本物」という証明書は、そもそも存在しません。
現実的なのは、複数の軸で総合的に見ることです。この記事では6つの軸を挙げます。サイズの書き方、測定条件の開示、効果表現の慎重さ、特許表示の中身、認証制度の位置づけ、そして水が変わる範囲とサポート体制。
どれか一つで決めるのではなく、いくつ揃っているかで見てください。
◆この記事でわかること
- ・「本物/偽物」という分け方が成り立ちにくい理由
- ・製品説明を読むときの6つの判断軸
- ・FBIA製品認証登録マークの読み方(4層構造)
- ・認証を唯一の基準にすべきでない理由
- ・判断材料にしにくい情報の見分け方
◆① 前提|「本物/偽物」という枠組みの限界
まず、この問いの立て方そのものを見直す必要があります。
ウルトラファインバブルという言葉には、国際規格による定義があります。直径1μm未満の泡——それがすべてです。
つまり、その大きさの泡が実際に生成されていれば、定義には合致します。逆に言えば、「本物と認定する制度」も「偽物と判定する制度」も存在しません。
では何が問題になるのか。多くの場合、説明の書き方です。
- ・サイズが書かれておらず、定義に合致しているか分からない
- ・気泡数の数値だけが強調され、測定条件がない
- ・効果が断定的に書かれ、根拠が示されていない
- ・水が変わる範囲が曖昧で、期待とずれる
見分けるべきは製品の真贋というより、情報の出し方の誠実さだと考えています。
◆② 軸1|サイズが規格の定義に沿って書かれているか
もっとも基本的な確認点です。
ISO 20480-1:2017 と、対応する JIS B 8741-1:2019 は、次のように定めています。
| 名称 | 直径 |
|---|---|
| ファインバブル(総称) | 100μm未満 |
| マイクロバブル | 1〜100μm |
| ウルトラファインバブル | 1μm未満 |
製品説明にサイズの数値が書かれているかを見てください。「ウルトラファインバブル」という言葉だけがあってサイズの記載がない場合、規格の定義に沿っているかを読み取れません。
また「ナノバブル」「マイクロナノバブル」「超微細気泡」といった規格外の表記も残っています。これらは規格制定前からの呼び方で、使うこと自体に問題があるわけではありませんが、その言葉だけではサイズが分かりません。
サイズによる分類は、3つの泡の違いを整理した記事で詳しく扱っています。
◆③ 軸2|気泡数に測定条件が添えられているか
「1mLあたり◯億個」という数値は、比較の材料として使いやすそうに見えます。
しかし、この数値は測定条件によって変動します。条件が違えば、そもそも比べられません。
変動する要因として、少なくとも次のものがあります。
- ・水圧——装置に入る水の圧力
- ・水温——測定時の温度
- ・測定機器・方式——どの原理で数えたか
- ・採取距離・タイミング——吐水口からどれだけ離れた地点の水を、いつ測ったか
これらが添えられていない数値は、大きさを競うための数字になってしまいます。
なお、計測技術そのものが現在も研究テーマであることも知っておくとよい点です。業界団体である一般社団法人ファインバブル産業会(FBIA)は、計測サービスを案内しています。測定を第三者に委ねる仕組みが存在するということです。
数値表示の読み方については、泡の「数」や「特許」の文字だけで選ぶと後悔する理由をまとめた記事で詳しく整理しています。
◆④ 軸3|効果の書き方が断定的すぎないか
意外に思われるかもしれませんが、言い切っている説明ほど、慎重に読む必要があります。
ウルトラファインバブルに関する文献を確認すると、家庭のシャワーなどの条件で洗浄効果を定量的に評価した研究は数が多くなく、洗浄のメカニズムは明確になっていないとする記述が複数見られます。
つまり現時点では、断定できる根拠が揃っていない領域が残っています。それにもかかわらず言い切っている説明は、根拠より訴求を優先している可能性があります。
| 慎重に読みたい表現 | 妥当な範囲の表現 |
|---|---|
| 科学的に実証されています | 〜という報告があります |
| 医学的に証明されています | 〜と考えられています |
| 汚れが落ちます | 洗浄をサポートします |
| ニオイが消えます | ニオイ戻りが起きにくくなります |
効果の感じ方には個人差があります。その一文が添えられているかどうかも、ひとつの目安になります。
◆⑤ 軸4|特許表示の中身が確認できるか
「特許取得」という表示は、それ自体では性能の根拠になりません。
特許は「新しい技術的なアイデアである」ことを認める制度であって、性能の優劣を審査する制度ではないためです。
確認したいのは次の3点です。
- ・「取得」か「出願中」か——出願中は審査が終わっておらず、登録されるとはかぎらない
- ・特許番号が示されているか——番号があれば内容を照会できる
- ・何についての特許か——気泡の発生方式なのか、取り付け部の構造なのか、外観デザイン(意匠)や名称(商標)なのか
とくに3つ目は見落とされがちです。意匠登録や商標登録は、気泡の生成能力とは無関係です。
◆⑥ 軸5|認証制度を、どう位置づけるか
国内には、FBIAが運営するFBIA製品認証登録制度があります。
ファインバブルを利用した製品・サービスについて、性能測定の方法がISO規格やFBIA規格などに適合しているか、効果判定が妥当かを専門的に確認したうえで認証・登録する制度です。
審査で見ている3つの要素
- ・ファインバブルの性能——個数濃度と気泡径
- ・ファインバブルの効果——エビデンスにもとづく有意差の確認
- ・品質管理の維持——原材料管理、生産工程の品質管理など7項目
ここで正確に理解しておきたいのは、この制度が確認しているのは「測り方」と「つくり方」だということです。製品同士の優劣を決めるものではありませんし、人体への安全性を審査する制度でもありません。
認証登録マークの読み方(4層構造)
マークを見かけたときのために、構造を紹介しておきます。
- ・第1層——認証の区分。
R=登録製品、C1A=型式特性認証(1a区分)、C1B=製品性能認証(1b区分) - ・第2層——気泡の種類。マイクロバブルか、ウルトラファインバブルか、その両方かを示す記号
- ・第3層——個数濃度と気泡サイズの範囲。たとえば
8bは、個数濃度 1×10⁸〜10⁹個/mL、サイズ 100nm〜1µm を表す - ・第4層——申請年月と整理番号(2021年9月以降は
R/M/U+4桁の通し番号)
記号の正確な意味は、FBIA公式の「認証登録マークの見方」で確認できます。記事末の参考からご覧ください。
認証を唯一の基準にしない
制度の存在は、業界にとっても消費者にとっても意味のあるものです。ただし、認証は判断材料の一つです。
認証があれば高性能ということにはなりませんし、認証がないことが性能の低さを意味するわけでもありません。制度の趣旨は測定方法の妥当性と品質管理の確認にあるからです。
認証の有無を確認することは有用ですが、それを唯一の判断基準にすると、他の重要な観点を見落とします。本記事が6つの軸を挙げているのは、そのためです。
◆⑦ 軸6|範囲とサポートが具体的に書かれているか
技術の話から離れますが、実務的にはここが効きます。
水が変わる範囲が明示されているか
どんなに性能が高くても、その水が使われない場所には届きません。
シャワーヘッドに取り付ける方式なら、変わるのはシャワーの水だけです。洗濯機の給水、キッチンの蛇口、洗面台、屋外の水栓は対象外になります。水道の元栓に設置する方式なら、その先の水栓すべてが対象になります。
「家じゅうの水が変わります」と書かれていたら、どこに設置する製品なのかを確認してください。
この範囲のずれが「効果を感じられない」という評価につながるケースについては、「効果なし」と言われる理由を検証した記事で扱っています。
設置条件を個別に確認する体制があるか
給水設備に接続する製品は、住宅ごとに条件が異なります。
- ・元栓の口径と接続規格が合うか
- ・設置スペースに収まるか
- ・設置後の水圧が日常の使用に支障ないか
- ・集合住宅の場合、管理規約上の扱いはどうか
これらを買う前に確認する仕組みがあるかは、実用上とても重要です。買ってから合わないと分かるのが、いちばん避けたい事態だからです。
◆⑧ 判断材料にしにくいもの
逆に、あまり判断の軸にならない情報も挙げておきます。
- ・白く濁るかどうか——ウルトラファインバブルは1μm未満のため、目に見えないのが正常です。見た目では判断できません
- ・気泡数の数値の大小だけ——測定条件が違えば比較になりません
- ・価格の高さ——価格には流通経路や販促費も含まれます
- ・使用者の感想の数——感じ方には個人差があり、条件もそろっていません
- ・「世界初」「業界No.1」といった表示——何を対象に、いつ、どの調査で比較したのかが示されているかを確認してください
どれも「無意味」という意味ではありません。単独では判断の根拠にしにくい、ということです。
◆⑨ 6つの軸を一覧で
| 軸 | 確認すること |
|---|---|
| 1. サイズ表記 | 規格の定義(1μm未満)に沿った記載があるか |
| 2. 測定条件 | 気泡数に水圧・水温・測定方式・採取位置が添えられているか |
| 3. 効果表現 | 断定を避けているか。個人差への言及があるか |
| 4. 特許表示 | 取得か出願中か。番号があるか。何についての特許か |
| 5. 認証制度 | 制度の趣旨を理解したうえで、判断材料の一つとして扱えているか |
| 6. 範囲とサポート | 水が変わる範囲が明示され、設置条件を事前に確認できるか |
6つすべてが揃っている必要はありません。いくつ揃っているかで相対的に見るのが現実的です。
◆よくある質問
Q. 「本物のウルトラファインバブル」を判定する公的な制度はありますか?
真贋を判定する制度はありません。ISO 20480-1:2017 は用語と測定の一般原則を定めた規格であり、製品を認定する仕組みではないためです。複数の軸で総合的に判断するのが現実的です。
Q. 白く濁らないので、泡が出ていないのではと不安です
ウルトラファインバブルは1μm未満のため、目に見えないのが正常です。白く見えるのはマイクロバブルの特徴で、見た目で判断することはできません。
Q. 認証マークがない製品は避けたほうがよいですか?
そうとはかぎりません。認証制度が確認しているのは測定方法の妥当性と品質管理であり、製品の優劣を示すものではありません。マークの有無は判断材料の一つとして扱い、他の軸とあわせてご検討ください。
Q. 気泡数が多いほど良い製品ですか?
測定条件が示されていない数値どうしは比較できません。条件が違えば結果も変わるためです。数値の大小より、条件が開示されているかどうかを見てください。
Q. 高価な製品のほうが性能は高いのですか?
価格には製造原価だけでなく、流通経路や販促にかかる費用も含まれます。価格だけで性能を推し量ることはできません。
Q. 自分で泡の有無を確かめる方法はありますか?
1μm未満の気泡は目視できないため、家庭で確認することはできません。測定には専用の機器が必要です。業界団体が計測サービスを案内していますので、詳細な測定が必要な場合はそちらが窓口になります。
◆まとめ
✔ 「本物/偽物」を判定する制度は存在しない。規格は用語と測定の物差し
✔ 見分けるべきは、製品の真贋というより情報の出し方の誠実さ
✔ 軸1|サイズが規格の定義(1μm未満)に沿って書かれているか
✔ 軸2|気泡数に水圧・水温・測定方式・採取位置が添えられているか
✔ 軸3|効果表現が断定的すぎないか。個人差への言及があるか
✔ 軸4|特許表示が「取得」か「出願中」か、番号と対象が確認できるか
✔ 軸5|認証制度は測定方法と品質管理を見る仕組み。判断材料の一つとして扱う
✔ 軸6|水が変わる範囲が明示され、設置条件を事前に確認できるか
✔ 白く濁るかどうか、価格の高さ、感想の数は、単独では判断材料にしにくい
情報を出す側がどこまで正直に書いているか。言い切れないことを言い切っていないか——結局のところ、そこがいちばんの手がかりになります。
ウルトラファインバブルフレスカは、住宅の水道元栓に設置する全館型のウルトラファインバブル発生装置です。接続規格はG3/4、外形全長は約80mm。水圧を利用し、内部構造による水流の旋回・せん断で微細気泡を生成する方式のため、電源も消耗品も使いません。
水が変わる範囲は、浴室・キッチン・洗面・洗濯・トイレ・屋外水栓を含む家全体です。設置できるかどうかは元栓まわりの寸法・接続規格・水圧によって異なりますので、ご契約前に条件を確認したうえでご案内しています。月額制でのご導入にも対応しており、初期費用の負担を分散できます。
◆参考
- ・ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」(2017年6月22日発行/ISO/TC 281)
- ・JIS B 8741-1:2019(同名の日本産業規格)
- ・一般社団法人ファインバブル産業会「FBIA製品認証登録制度」
- ・同「認証登録マークの見方」
- ・同「製品認証登録基準の概要」(性能・効果・品質管理の3要素)
- ・同「ファインバブル計測サービス」
◆あわせて読みたい