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マイクロバブル。ウルトラファインバブル。ファインバブル。
言葉は覚えたけれど、結局どちらを選べばいいのか——そう思ったことはないでしょうか。
この問いには答えがあります。ただし、「どちらが優れているか」という形ではありません。
まず結論
サイズが違えば、水中での振る舞いが変わります。振る舞いが変われば、向いている場面も変わります。
マイクロバブルは目に見えて、ゆっくり浮上し、水中で収縮して消えます。ウルトラファインバブルは目に見えず、浮上せず、長時間水中にとどまります。
前者は「その場で、目に見える形で働く」場面に、後者は「水が届いた先で、時間をかけて働く」場面に向いていると考えられています。優劣ではなく、役割の違いです。
そして家庭で考えるなら、泡の種類を選ぶよりどこに装置を設置するかのほうが、結果を大きく左右します。
◆この記事でわかること
- ・国際規格が定めたサイズの区分
- ・サイズが変わると、水中での振る舞いがどう変わるのか
- ・それぞれが向いていると考えられる場面
- ・「どちらが優れているか」という問いが成り立たない理由
- ・家庭で考えるときに、より効いてくる変数
◆① まず、サイズの定義を確認する
この分類は感覚的なものではなく、国際規格で決められています。
ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」(2017年6月22日発行)が、次のように定めています。
| 名称 | 直径 | 位置づけ |
|---|---|---|
| ファインバブル | 100μm未満 | 総称 |
| マイクロバブル | 1〜100μm | ファインバブルの一種 |
| ウルトラファインバブル | 1μm未満 | ファインバブルの一種 |
| (参考)ミリバブル | 100μm以上 | いわゆる普通の泡 |
重要なのは、マイクロバブルとウルトラファインバブルは対立するものではないという点です。どちらもファインバブルという総称の下にあります。
国内では JIS B 8741-1:2019 が対応規格として制定されています。分類そのものの詳細は、3つの泡の違いを整理した記事で扱っています。
◆② サイズが変わると、振る舞いが変わる
1μmという境目を挟んで、泡の性質は大きく変わります。
| マイクロバブル(1〜100μm) | ウルトラファインバブル(1μm未満) | |
|---|---|---|
| 見え方 | 白く濁って見える | 目に見えない(水は透明のまま) |
| 動き | ゆっくり浮上する | 浮上しない |
| 最終的に | 水中で収縮し消滅する | 長時間水中に残る |
| 存在の確認 | 目視できる | 測定機器が要る |
なぜこうなるのか。理由はシンプルで、小さくなるほど浮力が効かなくなるからです。1μm未満まで小さくなると、浮き上がろうとする力より、水の分子にぶつかって漂う動きのほうが優勢になります。
その結果、泡は水面へ向かわず、水中を漂い続けることになります。
◆③ 向いていると考えられる場面
振る舞いの違いは、そのまま用途の向き不向きにつながります。
マイクロバブルが向いていると考えられる場面
浮上するということは、下から上へ向かう流れをつくるということです。そして目に見えるということは、働いていることが分かるということでもあります。
- ・浴槽など、水を溜めた状態で使う場面
- ・浸け置き洗浄のように、時間をかけて物を沈めておく工程
- ・洗浄槽で対象物の表面から汚れを引きはがしたい場面
- ・白く濁ることそのものが体験の一部になる場面
ウルトラファインバブルが向いていると考えられる場面
浮上せず長くとどまるということは、水が流れていく先まで一緒に運ばれるということです。
- ・配管の中を流れていく水そのものを対象にする場面
- ・シャワーやすすぎのように、流水で使う場面
- ・貯めた水を長く置く場面
- ・細かいすき間の奥まで水を届けたい場面
いずれも「〜と考えられています」の範囲であることは、あらためて申し添えます。作用のメカニズムそのものは、いまも解明が進められている段階です。
◆④ 「どちらが優れているか」が成り立たない理由
ここまで読むと、「小さいほうが高性能では」と思われるかもしれません。
しかし、小さいことには失うものもあります。
- ・目に見えなくなる——働いているかどうかを体感で確かめにくい
- ・浮上しない——上へ運ぶ流れは生まれない
- ・測定に機器が要る——存在を自分で確認できない
逆に、マイクロバブルの「消えてしまう」という性質も、見方によっては役立ちます。泡がはじけるときに周囲へ働きかけると考えられており、その場での作用が期待される場面もあるからです。
つまり同じ性質が、場面によって長所にも短所にもなるということです。順位をつけられる関係ではありません。
◆⑤ 両方を含む水もある
実際の装置から出る水は、片方だけを含んでいるとはかぎりません。
その証拠のひとつが、一般社団法人ファインバブル産業会(FBIA)の製品認証登録マークです。このマークは4つの層で構成されており、そのうちの一つが「気泡の種類」を表しています。
区分として、マイクロバブル、ウルトラファインバブル、そしてその両方という表示が用意されています。両方を含む製品が制度上想定されている、ということです。
マークの各層が示す記号の意味は、FBIA公式の「認証登録マークの見方」で確認できます。記事末の参考からご覧ください。
なお、この認証は測定方法の妥当性と品質管理を確認する制度であり、製品の優劣を示すものではありません。判断材料の一つとして受け取るのが適切です。
◆⑥ 家庭では、泡の種類より効く変数がある
ここが、この記事のもうひとつの結論です。
家庭でウルトラファインバブル製品を検討するとき、泡の種類の違いより、装置をどこに設置するかのほうが結果を大きく左右します。
理由は単純です。どんなに優れた泡でも、その水が使われない場所には届かないからです。
| 設置位置 | 対象になる水 | 対象外になる水 |
|---|---|---|
| シャワーヘッド | 浴室のシャワー | 洗濯機・キッチン・洗面・トイレ・屋外 |
| 洗濯機の給水 | 洗濯 | それ以外すべて |
| 給湯設備 | お湯を使う場所 | 水だけを使う場所 |
| 水道の元栓 | 家全体(浴室・キッチン・洗面・洗濯・トイレ・屋外水栓) | — |
「導入したのに変化が分からない」という声の背景に、この範囲のずれがあるケースについては、「効果なし」と言われる理由を検証した記事で詳しく扱っています。
◆⑦ 「マイクロナノバブル」などの表記に出会ったら
製品を調べていると、規格にない呼び方に出会うことがあります。
- ・マイクロナノバブル
- ・ナノバブル
- ・超微細気泡
- ・微細気泡
これらは規格が制定される前から使われてきた言い方で、使うこと自体に問題があるわけではありません。ただし、どのサイズを指しているのかが、その言葉だけでは分かりません。
確認したいのは、数値でサイズが書かれているかどうかです。「ウルトラファインバブル(1μm未満)」のように規格の定義に沿った記載があれば、比較の土俵に乗ります。
この見方については、製品を見抜く判断基準をまとめた記事もあわせてご覧ください。
◆⑧ 使い分けを語るときの限界
最後に、この記事自体の限界を書いておきます。
ここまで「向いていると考えられる場面」を挙げてきましたが、これはサイズと振る舞いから導かれる推論です。家庭での使用条件で、どちらがどの程度有効かを比較した研究が豊富にあるわけではありません。
文献を確認したかぎり、洗浄に関わる作用のメカニズムは明確になっていないとする記述が複数見られます。
ですので、「マイクロバブルのほうが◯◯に効く」といった断定は、この記事ではしません。振る舞いの違いは確かにあり、そこから向き不向きが推測できる——言えるのはここまでです。
そして、どちらを選んだ場合でも効果の感じ方には個人差があります。
◆よくある質問
Q. マイクロバブルとウルトラファインバブル、どちらを選ぶべきですか?
用途によります。水を溜めて使う場面と、流水で使う場面では向いているものが変わると考えられています。ただし家庭では、泡の種類より装置の設置位置のほうが結果を左右します。
Q. 白く濁らないのは、泡が出ていないということですか?
いいえ。ウルトラファインバブルは1μm未満のため、目に見えないのが正常です。白く見えるのはマイクロバブルの特徴で、見た目で判断することはできません。
Q. 両方が出る製品のほうが良いのですか?
一概には言えません。両方を含む製品が制度上想定されているのは事実ですが、含まれる種類の多さが性能の高さを意味するわけではありません。
Q. 小さいほうが高性能ということではないのですか?
違います。小さくなることで浮上しなくなり、上へ運ぶ流れは生まれなくなります。同じ性質が、場面によって長所にも短所にもなります。
Q. 「ナノバブル」と書かれた製品は規格外ですか?
規格が制定される前から使われてきた呼び方です。表記そのものが問題というより、サイズが数値で書かれているかどうかを確認する視点が大切です。
Q. マイクロバブルは水中で消えるのに、なぜ役に立つのですか?
泡が収縮して消えるとき、周囲へ働きかけると考えられています。ただしこの作用についても、断定できる段階ではありません。消滅までの時間などの数値は、条件によって変わるため本記事では扱いません。
◆まとめ
✔ サイズの区分は ISO 20480-1:2017 で定められている(MB=1〜100μm/UFB=1μm未満)
✔ 両者は対立するものではなく、どちらもファインバブルの一種
✔ マイクロバブルは見えて浮上し、水中で収縮して消える
✔ ウルトラファインバブルは見えず、浮上せず、長時間とどまる
✔ 振る舞いの違いが、向いていると考えられる場面の違いになる
✔ 小さいほうが高性能とはかぎらない。同じ性質が長所にも短所にもなる
✔ 両方を含む水も想定されている(FBIA認証マークの区分から読み取れる)
✔ 家庭では、泡の種類よりどこに設置するかのほうが結果を左右する
泡の種類選びに時間をかける前に、その水がどこまで届くのかを確かめる。順番としては、こちらが先だと考えています。
ウルトラファインバブルフレスカは、住宅の水道元栓に設置する全館型のウルトラファインバブル発生装置です。接続規格はG3/4、外形全長は約80mm。水圧を利用し、内部構造による水流の旋回・せん断で微細気泡を生成する方式のため、電源も消耗品も使いません。
元栓に設置するため、対象になるのは浴室・キッチン・洗面・洗濯・トイレ・屋外水栓を含む家全体の水です。設置できるかどうかは元栓まわりの寸法や水圧によって異なりますので、まずは条件のご確認からご案内しています。
◆参考
- ・ISO 20480-1:2017「ファインバブル技術-ファインバブルの使用及び測定の一般原則-第1部:用語」(2017年6月22日発行/ISO/TC 281)
- ・JIS B 8741-1:2019(同名の日本産業規格)
- ・一般社団法人ファインバブル産業会「ファインバブルとは」
- ・同「作用と活用」
- ・同「認証登録マークの見方」
- ・安田啓司「ウルトラファインバブルの特性と応用」真空 66巻11号(J-STAGE)
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