ウルトラファインバブルの特許と技術開発の歩み|「特許取得」が意味すること

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製品ページに並ぶ「特許取得」の4文字。

なんとなく安心感がありますが、あれは何を証明しているのでしょうか。性能が保証されたということなのでしょうか。

結論から言うと、違います。

まず結論

特許は、「新しい技術的なアイデアである」ことを認める制度です。性能の優劣を保証するものではありません。

また「特許取得」と「特許出願中」は意味が異なります。出願中は審査が終わっていない状態で、登録されるとはかぎりません。

そして、その特許が何についてのものかも重要です。気泡の発生方式なのか、部品の形状なのか、製品の見た目なのか、名称なのか。同じ「特許」でも、指しているものはまったく違います。

この記事では、特許の読み方と、ウルトラファインバブルという技術がここまで来た歩みを整理します。


◆この記事でわかること

 

  • ・特許制度が実際に認めているもの
  • ・「特許取得」と「特許出願中」の違い
  • ・「何についての特許か」を見分ける観点
  • ・特許・規格・認証が、それぞれ何を見ているのか
  • ・ウルトラファインバブル技術が歩んできた道のり

 


◆① 特許は「性能の証明書」ではない

 

まずここを押さえてください。

特許制度が判断しているのは、そのアイデアが新しいかどうか、そしてこれまでの技術から簡単に思いつくものではないかどうかです。

「よく効くかどうか」を審査しているわけではありません。

つまり、性能が高くなくても、新しければ特許は成立しうるということです。逆に、性能が優れていても、すでに知られた方法であれば特許にはなりません。

特許は新規性の証明であって、性能の証明ではない。この一点を押さえるだけで、広告の読み方が変わります。


◆② 「特許取得」と「特許出願中」は意味が違う

 

この2つは、見た目が似ているだけで内容がまったく違います。

 

特許出願中 特許取得(登録済み)
状態 審査が終わっていない 審査を通り、登録された
権利 まだ発生していない 発生している
登録の見込み 登録されるとはかぎらない —
特許番号 ない(出願番号はある) ある

 

「特許出願中」という表示自体は、事実であれば問題のあるものではありません。ただ、審査を通ったという意味には読めないという点は知っておく必要があります。

出願は誰でも行えます。出願したという事実だけでは、技術の中身は何も担保されません。


◆③ 特許番号があるかどうかを見る

 

登録された特許には、必然的に特許番号が付きます。

製品の説明に「特許取得」とだけ書かれていて番号がない場合、その特許を確認することはできません。番号があれば、特許庁が提供する特許情報の検索サービスから内容を照会できます。

確認できるのは、次のような項目です。

  • ・権利者は誰か——製品を販売している会社と一致しているか
  • ・何についての特許か——請求項に書かれている内容
  • ・いつ登録されたか——出願日と登録日
  • ・権利が生きているか——維持されているか

 

番号が示されているということは、確認されることを前提にしているということでもあります。それ自体が、情報の出し方としての姿勢を表します。


◆④ 「何についての特許か」を混同しない

 

ここが、いちばん誤解が生まれやすい部分です。

「特許」という言葉でまとめて語られがちですが、産業財産権にはいくつかの種類があります。

 

種類 守っているもの 気泡の性能との関係
特許 技術的なアイデア(発明) 方式に関するものなら関係する
実用新案 物品の形状・構造の考案 間接的
意匠 製品の外観デザイン 関係しない
商標 名称・ロゴ 関係しない

 

たとえば、装置の外観デザインが意匠登録されていたとしても、それは見た目が独自だという話であって、気泡の生成能力とは無関係です。

同じことは特許の中でも起こります。「取り付け部の構造」についての特許と、「気泡の発生方式」についての特許では、意味がまったく違います。

広告表現の読み解きについては、泡の「数」や「特許」の文字だけで選ぶと後悔する理由をまとめた記事で、より広い視点から整理しています。


◆⑤ 特許・規格・認証は、別のことを見ている

 

製品ページには、特許のほかに規格番号や認証マークが並ぶことがあります。それぞれ役割が違います。

 

仕組み 見ているもの 言えること
特許 アイデアの新しさ 独自の方式である
ISO / JIS 規格 用語と測定の一般原則 共通の物差しに沿っている
FBIA 認証登録制度 性能測定の方法、効果判定の妥当性、品質管理 測り方とつくり方が確認されている

 

3つのどれもが、「この製品は他より優れている」とは言っていません。

それぞれが別の角度から情報を与えてくれる仕組みであり、判断材料の一つとして受け取るのが適切な距離感です。


◆⑥ 技術開発の歩み①|研究から産業へ

 

1980年代|水質浄化のための研究として始まった

微細気泡技術の研究は、1980年代初めに始まりました。徳山工業高等専門学校 土木建築科の大成博文教授が、独自に開発を進めたのが出発点です。

専門は水工水理学。当初の目的はダム貯水池の水質浄化でした。美容でも家電でもなく、閉鎖的な水域で酸素が不足するという課題への取り組みだったのです。

2000年代前半|産業現場での応用

この技術は、広島湾のカキ養殖に応用されます。成果は論文「マイクロバブル技術によるカキ養殖効果」(水工学論文集 第46巻・2002年2月)にまとめられました。

論文では、大量斃死が続いていたカキの生育が上向いたこと、成長促進による養殖期間の短縮、品質の向上、生産額の増大が報告されています。

この時期に、農業・水産・工業洗浄といった産業分野へ応用が広がっていきました。

歴史の詳細は、技術の歩みをたどった記事で扱っています。


◆⑦ 技術開発の歩み②|規格化から家庭へ

 

2017年|用語と測定が国際規格になった

技術が広がるにつれ、呼び方も定義もばらばらだという問題が表面化します。ナノバブル、マイクロナノバブル、超微細気泡——同じものを指しているのかどうかも分かりませんでした。

そこで進められたのが国際標準化です。ISO 20480-1:2017 が2017年6月22日に発行され、ファインバブル技術の専門委員会(ISO/TC 281)による国際規格の第1号となりました。国内では JIS B 8741-1:2019 が対応規格として制定されています。

近年|装置が小さくなり、家庭へ

産業用の装置は大型で、電源や薬剤を必要とするものもありました。それが小型化し、住宅で扱える形になったのが近年の段階です。

シャワーヘッド、洗濯機、給湯設備、そして水道の元栓に設置する装置。設置する場所によって、水が変わる範囲が変わります。

  • ・1980年代〜 ダム貯水池の水質浄化を目的とした研究が始まる
  • ・2000年代前半 カキ養殖への応用。論文で成果が報告される
  • ・2000年代〜 農業・水産・工業洗浄など産業分野へ展開
  • ・2017年 ISO 20480-1:2017 発行(ISO/TC 281の国際規格第1号)
  • ・2019年 JIS B 8741-1:2019 として国内規格化
  • ・近年 家庭向け製品が広く流通する段階へ

 


◆⑧ なぜ「特許」が広告で目立つのか

 

ここまでの整理を踏まえると、疑問がわきます。性能を保証しないのに、なぜ特許はこれほど前面に出るのでしょうか。

考えられる理由は2つあります。

ひとつは、効果を直接うたいにくいという事情です。洗浄や身体に関わる表現には法令上の制約があり、断定的な効果表現は避ける必要があります。そこで、制約の少ない「特許」という客観的な事実が前に出やすくなります。

もうひとつは、短く強い印象を与えられることです。技術の説明は長くなりますが、「特許取得」は2語で済みます。

どちらも自然な理由ではあります。ただし読む側としては、短く強い言葉ほど中身を確かめるという姿勢が必要になります。


◆⑨ 特許表示より先に確認したいこと

 

では、何を見ればよいのか。優先順位をつけるとすれば、次のようになります。

  • ・気泡のサイズが規格の定義に沿って書かれているか——ウルトラファインバブルなら1μm未満
  • ・気泡数に測定条件が添えられているか——水圧・水温・測定方式・採取位置
  • ・効果の書き方が断定的すぎないか——「実証されている」と言い切っていないか
  • ・水が変わる範囲が明示されているか——どの水栓まで対象になるのか
  • ・導入後の相談先があるか——設置条件を個別に確認する体制があるか

 

特許は、この後ろに置いてちょうどよい情報だと考えています。あって困るものではありませんが、それだけで決める材料にはなりません。

なお、どの製品を選んだ場合でも、効果の感じ方には個人差があります。表示された情報と実際の体感は、分けて考えておくほうが落差が生まれにくくなります。

効果への期待値をどう持つかについては、「効果なし」と言われる理由を検証した記事もあわせてご覧ください。


◆よくある質問

 

Q. 特許を取得している製品のほうが性能は高いのですか?

そうとはかぎりません。特許はアイデアの新しさを認める制度であり、性能の優劣を審査するものではありません。新しくても性能が高いとはかぎらず、性能が高くても既知の方法なら特許にはなりません。

Q. 「特許出願中」は特許があるということですか?

いいえ。審査が終わっていない状態を指します。登録に至らない場合もあり、この時点では権利も発生していません。

Q. 特許番号が書かれていない製品は避けるべきですか?

避けるべきとまでは申し上げません。ただし番号がないと内容を確認できないため、判断材料としての重みは下がります。他の情報とあわせて見ることをおすすめします。

Q. 特許とISO規格は、どちらが信頼できますか?

比べるものではありません。特許はアイデアの新しさ、ISO規格は用語と測定の物差しを扱います。見ている対象が違うため、どちらが上ということはありません。

Q. 意匠登録や商標登録も性能の裏付けになりますか?

なりません。意匠は製品の外観デザイン、商標は名称やロゴを守る制度です。気泡の生成能力とは無関係です。

Q. 特許は永久に有効なのですか?

いいえ。特許権には存続期間があり、所定の手続きが行われなければ権利は消滅します。古い表示がそのまま残っている場合もあるため、番号から現状を確認するのが確実です。


◆まとめ

 

✔ 特許は「新しい技術的アイデアである」ことを認める制度。性能の優劣は保証しない
✔ 「特許取得」と「特許出願中」は意味が違う。出願中は審査が終わっていない状態
✔ 特許番号があれば内容を照会できる。番号のない表示は確認しようがない
✔ 意匠・商標は外観や名称を守る制度で、気泡の性能とは無関係
✔ 特許・規格・認証は、それぞれ別のことを見ている仕組み
✔ 技術開発は1980年代の水質浄化研究から始まり、産業応用を経て国際規格化された
✔ ISO 20480-1:2017 と JIS B 8741-1:2019 が現在の共通の物差し
✔ 特許表示より先に、サイズの定義・測定条件・水が変わる範囲を確認する

40年以上の積み重ねがある技術です。だからこそ、短い言葉に置き換えられた説明ではなく、中身のほうを見たいところです。

ウルトラファインバブルフレスカは、住宅の水道元栓に設置する全館型のウルトラファインバブル発生装置です。接続規格はG3/4、外形全長は約80mm。水圧を利用し、内部構造による水流の旋回・せん断で微細気泡を生成する方式のため、電源も消耗品も使いません。

対象になるのは浴室・キッチン・洗面・洗濯・トイレ・屋外水栓を含む家全体の水です。設置できるかどうかは元栓まわりの寸法や水圧によって異なりますので、まずは条件のご確認からご案内しています。

自宅に設置できるか相談する

 


◆参考

 

 


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